ルノーとの提携により、日産自動車の再建に尽力した前社長の塙義一(はなわ・よしかず)氏が12月18日に心筋梗塞のため亡くなりました。享年81歳。
塙氏は東大卒業後、1957年に日産入社、80年代に米国工場開設に尽力した後、85年に取締役、96年に代表取締役社長に就任。
就任早々に直面したのは約2兆円に上る膨大な負債を抱え、経営危機に瀕した日産を立て直すことだったと言います。
その後、塙社長は独ダイムラーや米フォードとの提携の道を模索、99年に仏ルノーとの資本提携をまとめ、2000年に社長職をカルロス・ゴーン氏に委譲、自身は代表取締役会長兼CEOに就任。
再建が完了して成長軌道に乗ったのを見届け、2003年に相談役名誉会長となり、経営の第一線から退いています。
今年に入ると、フランス政府が筆頭株主になっているルノーを通じて日産の経営に関与する懸念が浮上しましたが、今月11日に日産、ルノー、フランス政府は日産の独立性や両社の対等な関係の維持で合意、それを見届けるかのように息を引き取りました。
ゴーン氏は22日、「塙氏は日産ファミリーにとって重要な存在で、ルノーと日産の提携の土台を支える中心的な役割を果たし、日本と世界の自動車産業の発展に大きく貢献した」とのコメントを出しています。
海外メーカーとの提携が繰り広げられる中、日産・ルノーの連合は唯一の成功例となっており、塙氏はその礎を築いた一人でした。
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