トヨタ自動車が「トヨタ グローバルビジョン」の実現に向け、4月1日より役員のマネジメント体制を一部変更すると共に、同日付で行う役員人事について発表しました。
ビジネスユニットのプレジデントや、地域・機能の各本部長が現地現物で自ら判断し、迅速な意思決定を図ることに主眼を置いており、同社創業来初となる外国人副社長・女性役員を選任。
多様な背景を持つ人々による議論から、新しいアイデアやイノベーションの可能性が広がる という観点に基づき、海外事業体出身の人材を積極的に登用することにしたと言います。
副社長候補として挙がっているのは1982年から16年間ルノーに勤務した後、1998年に同社に入社、欧州トヨタの業績回復に貢献した現トヨタモーターヨーロッパ(TME)欧州本部長のディディエ・ルロワ(Didier Leroy)氏。
常務役員には北米トヨタ(TMA)でトヨタ、レクサス、サイオンブランドのマーケティングを手掛けるグループ広報チーフのジュリー・ハンプ(Julie Hamp)氏を起用。
北米トヨタに入社する前はGMで欧州部門のマーケティング・ディレクターを務め、その後飲料会社のペプシコ(PepsiCo)でグローバルメディア関係を担当。
今回の女性役員登用は安倍政権による「ウーマノミクス(Womenomics)」への対応ともとれそうです。
そしてハンプ氏と共に常務役員に就任するのが米国トヨタ自動車販売でグループ広報チーフを務めるクリストファー・レイノルズ(Christopher Reynolds)氏。
同社の法律顧問兼最高法務責任者として米国に於ける訴訟問題発生時に司法省との交渉を担当した人物。
日産自動車に比べて人事のグローバル化では遅れをとっていたトヨタが2009年に米国で発生した大規模なリコール問題発生を経て現地での経営完結を目指して英断した人事だったと言えそうです。