「ガラ軽」と化した軽自動車の技術が日本を救う!?

先日お伝えした熾烈さを増す軽自動車の燃費バトルが新興国にそのステージを広げて繰り広げられそうです。

軽自動車と言えば1950年代、戦後の復興に向けた日本の「国民車」として登場した現代の国産乗用車のルーツと言える存在。 

SUZUKI WAGON R

「軽」としての車両サイズや排気量に制限は有るものの、取り回しや燃費の良さに加えて自動車税、重量税などが登録車よりもかなり安い事で需要を伸ばして来ました。 

<道路運送車両法による軽自動車規格> 

排気量:660cc以下 定員4名以下 積載量:350kg以下
全長:3.4m以下 全幅:1.48m以下 全高:2.0m以下 

最近では性能の向上やエコカーブームに乗って日本の自動車保有台数約7970万台中、約2860万台(36%)を占めるまでに軽自動車市場が拡大。(2013年現在)

「ガラ軽」こと、ガラパゴス化した日本固有の軽自動車が再びその良さを見直されているという訳です。 

一方、海外では日本からの完成車輸出や現地生産化されているモデルも多く、独自の進化を遂げているケースも。 

例えばインドで「マルチスズキ」を30年以上前に立ち上げたスズキの場合、日本でお馴染みのアルトやワゴンRなどを販売中。

但しデザインは別物で、排気量が800cc~1.0L程度にアップされており、車幅も日本の軽の規制枠である1.48mを超えるものが殆どで、日本仕様のままという訳ではありません。 

・アルト 800 ( )内は日本モデル
 全長:3395mm (3395) 全幅:1490mm (1475) 
   全高:1475mm (1535) W/B:2360mm (2400) 

SUZUKI ALTO 800

・ワゴン R (1.0L)
 全長:3599mm (3395) 全幅:1495mm (1475) 
 全高:1700mm (1640) W/B:2400mm (2425) 

SUZUKI WAGON R

・アルト K10(1.0L)
 全長:3620mm 全幅:1495mm 
 全高:1460mm W/B:2360mm 

SUZUKI ALTO K10

・A-star (1.0L)
 全長:3500mm 全幅:1600mm 
 全高:1490mm W/B:2360mm 

SUZUKI A-star

・ESTILO(1.0L)
 全長:3600mm 全幅:1495mm 
 全高:1595mm W/B:2360mm 

SUZUKI ESTILO

ロイターが伝えるところによると、軽自動車を製造しているメーカー各社は国内で蓄積した低コストで低燃費なクルマを作る技術を新興国での競争力強化に繋げることを目指していると言います。 

インドで先行するスズキインドネシアで先行するダイハツ(トヨタ含む)に続き、ホンダ日産が新興国での展開を検討しているようで、三菱自もアフリカ市場に関心を示しているとか。 

国内の乗用車市場が伸び悩む中、米国を中心に普通車の販売を拡大する一方で、日本固有の「ガラ軽」技術を如何にして新興国で販売拡大に繋げるかがもっぱらの課題となっているようで、中でもインドネシアやマレーシアなどのASEAN(東南アジア諸国連合)がそのターゲットとされています。 

これにより、日本の「ガラ軽」はASEANで更なるガラパゴス化を遂げ、日本仕様とはまた違った進化の道を辿ることになるようです。 

■マルチスズキ Webサイト(インド)
  http://www.marutisuzuki.com/ 

・ALTO 800  http://www.marutisuzukialto800.com/
・ALTO K1O  http://www.altok10.com/
・A-star         http://marutisuzukiastar.com/ 
・ESTILO      http://www.marutisuzukiestilo.com/ 
・WAGON R http://www.marutiwagonr.com/index.html 

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 (Avanti Yasunori) 

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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