仏プジョーが電池不要の圧縮空気で駆動するHV技術を開発 !【動画】

仏PSAプジョー・シトロエンが1月22日、バッテリーを使わないHV技術を発表しました。「Hybrid Air(ハイブリッド エア)」と呼ぶシステムで、独BOSCH社と共同開発したもの。

PSA Hybrid Air System (出展 PSA)

欧州2020年CO2排出規制をクリアしており、ガソリンエンジンと圧縮窒素による駆動力を組み合わせる事で従来のHV車に比べて軽量化が可能でコスト半減を実現するとしています。

一般的なHV車はガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせていますが、プジョーの新技術「Hybrid Air」システムは、圧縮窒素により油圧モーターを駆動するもので、既に80の特許を提出している模様。

走行モードはガソリンエンジンで駆動する「ガソリンモード」、エンジンとモーターで駆動する「複合モード」、モーターのみで駆動する「エアパワーモード」の3種類を走行シーンに合わせて使い分けるシステムとなっているようです。(動画参照)

PSAの説明によると、Bセグメントのモデルに搭載して2016年頃の市場投入を目指しているようで、2万ユーロ(約235万円)を切る価格設定を見込んでいるといいます。

PSA Hybrid Air System

PSAグループは欧州の経済低迷を受けて2012年の世界販売が297万台と前年比で16.5%減少しており、欧州でも146.5万台(プジョー:79.3万台、シトロエン:67.2万台)と約13%程度前年比で販売が減少するなど、経営面では予断を許さない状況。 

今後、益々厳しくなる欧州燃費規制をクリアする為にもHV化が必須となる中、車両の値上げはさらに経営圧迫に繋がる為、コストアップを抑えた「Hybrid Air」システムは同グループの重要技術となるだけで無く、競合各社の注目を集めそうです。 

PSA Hybrid Air System

■PSA Webサイト
http://www.psa-peugeot-citroen.com/en

■プジョー Webサイト
http://www.peugeot.com/fr

■シトロエン Webサイト
http://www.citroen.com/

Avanti Yasunori)  

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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