シボレーボルトがクラッシュテスト後に燃えた? EVの安全性は?

アメリカのメディアがNHTSA(アメリカ運輸省道路交通安全局)からの非公式情報として、クラッシュテスト後のシボレー・ボルトが発火したというニュースが報道しています。数ヶ月前にクラッシュテストを行なった車両から火が出たということで、リチウムイオンバッテリーの安全性が問われているということ。

 

すでにGMからは、この問題に対するリリースも出ていて、その中で『NHTSAの見解としても、ボルトは従来のガソリンエンジン車よりも発火の危険性が少ない』と主張しています。

 

たしかに、しっかりとケースで保護されたリチウムイオンバッテリーが損傷するような状況であれば燃料タンクが無事であるとは言いがたく、燃料漏れとそれにより発火リスクのほうがバッテリー損傷によりも大きいのでしょう。

 

とはいえ、電気という目に見えない存在ですが、バッテリーには大きなエネルギーが蓄えられているわけで、そこに危険性があるという認識はドライバーだけでなく、多くのひとが認識しておくべき問題。一般的にはクラッシュにより安全装置が働き、高電圧系を遮断するわけですが、事故車に無闇に近づかないほうが吉というわけ。もちろん、それはエンジン車でも同様です。

 

さて、現時点では非公式情報なので、どのようなテスト後のクルマから発火したのかは不明ですが、サイドクラッシュテスト車両とのこと。現在の安全基準をクリアしているクルマですから、映像で見る限りは、バッテリーが破損するほど激しく変形していないように見えますが、EVの安全性を確認するためにも、続報が気になるニュースといえそうです。

 

 

 

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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