交通違反と罰則・罰金とは? スピード違反・飲酒運転・携帯電話使用違反などについて解説【自動車用語辞典】

■交通違反と罰則・罰金とは

交通安全のルールを守らない交通違反は、様々な重大事故につながる危険な行為です。ルールを守ることが基本ですが、守らない人に対しては交通違反を厳しく取り締まる罰則が与えられます。

事故につながる交通違反とその罰則について、解説していきます。

いろいろな交通違反

2017年の道路交通違反の取り締まり実績では、最高速度(スピード)違反が最も多く、続いて一時停止違反、携帯電話使用違反、通行禁止違反、信号無視違反、駐停車違反、追い越し・通行区分違反の順です。

・最高速度違反(スピード違反)
速度制限には、標識や道路標示してある都道府県の公安委員会が定める「指定最高速度」と、表示等がない場合の一般路は60km/h、高速道路は100km/hと規定されている「法定最高速度」があります。

これらの制限速度を僅かでも超えると、違反です。ただし実際のところ、制限速度以上で15km/h未満の検挙率は、きわめて低いです。

・駐車違反
駐車違反には、ドライバーが車から離れている「放置駐車違反」と、車に乗車している、あるいは傍にいる継続的な停止「駐停車違反」があります。

放置駐車は、すぐに移動できないことから駐車違反の対象です。一方、ドライバーが乗車している、または傍にいる駐停車は、すぐに移動できるため取り締りされないことが多いようです。

・飲酒運転
飲酒運転には、血液1mLにつき0.3mg、または呼気1Lにつきアルコール濃度0.15mgが基準値とされている「酒気帯び運転」と、酒に酔って正常な運転ができない「酒酔い運転」があります。

酒気帯び運転は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。酒酔い運転は、5年以下の懲役または100万円以上の罰金が科され、免許取り消しとなります。

また、2007年からはドライバーだけでなく、飲酒者に車を貸す、車を運転する恐れのある人に酒類を提供した人にも、厳罰が科せられるようになりました。

・その他
日常的にうっかり犯しやすい交通違反として、信号無視や一時停止無視、通行禁止、携帯使用違反などがあります。

交通違反点数と処分

交通違反の点数は、違反の危険度や悪質度、またそれらを累計することで、ドライバー個人の危険度を示すものです。したがって、一発で免停や免許取り消しになる場合もあるし、累積して免停になる場合もあります。交通違反の点数は、違反の危険度や悪質度、またそれらを累計することでドライバー個人の危険度を示します。

点数制度は、過去3年の交通事故や違反の種類に応じた点数が累積されて、所定の基準に達した場合に免許停止や免許取り消しなどの処分を行う制度です。

一発で免許停止を受けるのは、酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度0.25mg/L未満)、速度超過(30km/h以上50km/h未満)、無車検運行、一発で免許取り消しを受けるのは、酒酔い運転、酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度0.25mg/L以上)、無免許運転などです。

交通違反の点数
交通違反の点数

反則金と罰金

交通違反のお金のペナルティとしては、比較的軽微な交通違反に対する反則金と、重大な交通違反に対する罰金があります。ペナルティの額の大きさや、反則金か罰金かは、違反の種類と悪質度によって決まります。

・免許証不携帯 3,000円
・無灯火違反 6,000円
・赤信号無視 9,000円
・携帯電話使用等(交通の危険)違反 9,000円
・スピード違反(25km/h以上30km/h未満) 18,000円
・高速道路のスピード違反(35km/h以上40km/h未満) 30,000円

反則金と罰金の処理の流れ
反則金と罰金の処理の流れ

軽微な交通違反が、結果として悲惨な事故を引き起こして大きな悲劇が生まれます。ドライバーには、それなりの大きな責任があるということを自覚して運転する必要があります。

本章では、様々な交通違反とその罰則について、詳細に解説していきます。

■スピード違反とは

交通違反の中でもっとも検挙件数が多いのは、スピード違反です。長年車を運転していると、スピードを出しているつもりはなくても不注意で1回ぐらいは捕まった経験があるのではないでしょうか。

スピード違反と検挙の方法について、解説していきます。

何キロオーバーで捕まるのか

速度制限には、標識や道路標示してある都道府県の公安委員会が定める「指定最高速度」と、表示等がない場合の一般路は60km/h、高速道路は100km/hと規定されている「法定最高速度」があります。

これらの制限速度を僅かでも超えると、違反です。ただし検挙するには、様々な道路状況や計測誤差などを考慮して、ある程度余裕持たせて取り締まる必要があります。何km/hオーバーだと捕まるのかは、警察が状況をみて判断するので明確な基準はありません。

統計的にみると、制限速度以上で15km/h未満の検挙率は、きわめて低いと言われています。だからといって、10km/hオーバーで走行しても捕まらないと思わないでください。スピード違反には、違いありません。

当然ですが、超過速度によって違反点数は増えます。

速度超過の違反点数
速度超過の違反点数

スピード違反の取り締まり方法

スピード違反車を検挙する方法は、「ネズミ捕り式」と「オービス式」、「追尾式」の3つの方法があります。

ネズミ捕りは、様々な道路で速度計測機を使って違反車を計測する方法、オービスは常設の無人式の自動取り締まり機によって違反車を計測する方法、追尾式はパトカーや白バイで追走して違反車を見つけ出す方法です。

それぞれの検挙方法を、以下に説明します。

ネズミ捕り方式
警察の取り締まりチームが、特定の道路に速度計測機を設置して、走行する車の車速を計測します。設定速度をオーバーして走行する車を見つけると、計測側から100~200m先の検挙担当者に無線連絡して、違反車を検挙します。

捕まって違反行為を認めた場合、違反者は速度計測カードに拇印を押します。これによって、交通反則告知書(青キップ)が渡され、7日以内に反則金を納付しなければいけません。

車速の計測方式には、「光電式」と「レーダー式」があります。

光電式は、3m間隔の2本の光の線を通過する時間差から車速を求めます。レーダー式は、電波のドップラー効果を利用します。発射した電波と走行する車からの反射波の波長差から、車の車速を算出します。

・オービス方式
オービス方式は、違反車の車速の計測と車の撮影を同時に行う無人式の自動速度取り締まり機です。

計測方法は、ループコイル式(磁気センサー)とレーダー式があります。ループコイル式は、路面下に3組のループコイルを埋設し、ループコイルが金属体の車を感知し、その時間差から車速を算出します。

最近は、パルス状にレーダーを発射するHシステムが主流になりつつあります。

車速の計測の結果、設定値を超えていれば前方に設置されたカメラによって、赤いストロボを発光して違反車を撮影します。赤いストロボが光ったら、スピード違反した、写真を撮られたということを意味します。

違反の設定速度は、おおむね30km/h(高速道路は40km/h)オーバーです。超過速度が30km/h未満の違反、青キップの「反則行為」の場合は、一般的には対象にはならないようです。

撮影されてから警察の呼び出しが届くまでの期間は、通常は1~2週間か、遅くとも1ヵ月くらいです。

・追尾方式
追尾式は、パトカーまたは白バイが違反車を追尾しながらスピードを計測する方法です。

速度計測機は使わず、違反車と等間隔・等速度で走行し、パトカーおよび白バイ自身のスピードを計測し、それを違反車の速度とみなして判断します。

制限速度を僅かでも超えれば、スピード違反です。

捕まらなければいいという考え方ではなく、車の流れを意識しながら法定速度を守ることが重要です。

■駐車違反とは

車を駐車してはいけない場所に止めてしまうと、道路交通法違反、いわゆる駐車禁止となり、反則金を払わなければいけません。2006年以降は駐車禁止区域では、たとえ5分以内であっても駐車違反です。

どのような場合に駐車違反となり、どのように取り締まるのか、解説していきます。

駐車違反の種類

駐車禁止の規則は、2種類あります。

ひとつは、各都道府県の公安委員会が標識などを設けて行う規則「指定禁止」です。もうひとつは、公安委員会とは別に道路交通法で定められている規則「法定禁止」です。例えば、交差点や横断歩道の上、駐車したときに右側に3.5m以上の余地が必要、道路の左側端に沿って駐車しなければならないといった規制です。

違反になる駐車

駐車違反には、ドライバーが車から離れている「放置駐車違反」と、車に乗車している、あるいは傍にいる継続的な停止「駐停車違反」があります。

放置駐車は、何らかの理由でドライバーが車から離れて車の傍にいない状況で、すぐに移動できないことから駐車違反の対象です。

一方、ドライバーが乗車している、または傍にいる継続的な駐停車とは、客待ちや荷待ち、貨物の積み下ろし、故障などが該当します。貨物の荷下ろしのための5分以内の停止と、人の乗降のための停止は除きます。

この場合でも駐車禁止区域であれば駐車違反の対象ですが、実際のところ車はすぐに移動できるため取り締りされないことが多いようです。

駐車違反の違反点数
駐車違反の違反点数

2006年以前の取り締まり方法

2006年以前の駐車違反の取り締まりは、次のように行われていました。

警察官が違法駐車を見つけると、タイヤと路面に白いチョークでマーキングして一旦立ち去り、それから20~30分程度後に戻ってきます。その間、車が移動してない、違法駐車を続けていることが確認できたら、警察署へ出頭するよう記載された駐車違反のステッカーを貼付します。

出頭してきた違反者に違反キップを切って、これを受けて違反者は反則金を払います。

2006年以降の取り締まり方法

2006年の道路交通法改正によって、取り締まりの方法が大きく変わりました。

・駐車違反取り締まりの民間委託が始まり、資格を有する駐車監視員が警察官と同様に取り締まりができるようになりました。

・警察官や駐車監視官が違法駐車を見つけ、車内やそばにドライバーがいないことを確認すると、ただちに駐車違反の黄色のステッカー「放置車両確認証」をフロントウインドウに貼付します。

・ドライバーの警察への出頭は、強制ではないので出頭するかどうかは選択できます。

出頭した場合は、青キップを交付されて反則金を払い、違反減点されます。

一方出頭しない場合は、車の所有者に「放置違反金の納付書」と「弁明通知書」がおおよそ10日以内に届きます。特に弁明がなければ、反則金を払ってすべての処置は終わります。ただし、この場合は違反の減点はありません。

なぜなら、取り締まりの時点で放置駐車していた車を誰が運転していたか分からないので、「自分は運転していない、車を所有しているだけ」という弁解が成り立ってしまうからです。

したがって、運転者と所有者が同じ場合は、自ら運転者と名乗って出頭するより、車の所有者として処罰された方が、違反点数を引かれずに済むことになります。

理由に関わらず、例え僅かな時間でも車から離れると、駐車違反になる可能性があります。

大事なことは、とにかく駐車禁止区域に車を駐停車しないことです。

■飲酒運転とは

「飲んだら乗るな」という簡単なことが、いまだに守られていません。飲酒運転は大きな社会問題として厳罰化が進んでいるものの、悪質な飲酒運転による悲惨な事故があとを絶ちません。

「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の定義の違いや罰則の違いについて、解説していきます。

飲酒運転の種類

飲酒運転には、2種類あります。

ひとつは、酒に酔って正常な運転ができない「酒酔い運転」の状態です。

酒酔い運転かどうかは、警察官がドライバーの言動や歩行・直立能力、酒臭、顔色等をみて確認します。体内のアルコール量に対する明確な法律上の規定はありませんが、原則として呼気1Lあたりアルコール濃度0.5mg以上でないと酒酔い運転にはならないようです。

もうひとつは、身体中に政令で定める濃度以上にアルコールを保有した「酒気帯び運転」状態です。

政令とは、道路交通法で定められた血液1mLにつき0.3mg、または呼気1Lにつきアルコール濃度0.25mgが基準値とされています。酔っていなくても、この基準値以上のアルコールが検出されれば違反です。

酒酔い運転および酒気帯び運転の罰則

1960年に施行された道路交通法では、呼気1Lあたりアルコール濃度0.25mg以上は違反とされていました。ただし、驚くことに当時は違反しても罰則はありませんでした。

その後、飲酒運転による事故が多発し、一向に減少しないことから段階的に罰則が強化されました。

・酒酔い運転
5年以下の懲役または100万円以上の罰金に処され、違反点数は35点。即時、免許取り消しで欠格期間(免許が取得できない期間)は3年です。

・酒気帯び運転
罰則は、酒酔い運転より少し軽く3年以下の懲役、または50万円以下の罰金に処されます。

違反点数は、アルコール濃度0.25mg以上が25点、0.15mg~0.25mgが13点。0.25mgの場合、即時免許取り消しで欠格期間は2年、0.15mg~0.25mgは免許停止90日で欠格期間なしです。

酒酔い運転および酒気帯び運転の違反点数
酒酔い運転および酒気帯び運転の違反点数

ドライバー以外の罰則

ドライバーの処罰だけでなく、飲酒運転を支える行為も処罰する目的で、2007年から飲酒ドライバーの周辺者に対する罰則が制定されました。飲酒者に車を貸す、車を運転する恐れのある人に酒類を提供した人には、厳罰が科せられます。

車両の提供の場合
飲酒している人に車両を提供した場合に罰則が科せられます。

・ドライバーが酒酔い運転の場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金
・ドライバーが酒気帯び運転の場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒類提供と要求、依頼同乗の場合
飲酒運転する可能性のある人に、酒類を提供またはすすめた場合に罰則が科せられます。また飲酒していることを知りながら、運送・運転することを要求または依頼して飲酒運転に同乗した場合に罰則が科せられます。

・ドライバーが酒酔い運転の場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金
・ドライバーが酒気帯び運転の場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金

飲酒運転防止(アルコールインターロック)システム

車側の対策として、飲酒運転を防止するシステムの開発も進められています。

ドライバーの飲酒は、例えばステアリング裏面に搭載されたアルコール検出器によってドライバーの呼気中のアルコール濃度を計測、またスターターボタンに指を触れるとセンサーで血中アルコール濃度を計測するなどで判定します。

もしアルコールが検出された場合は、エンジンを始動させないシステムです。装着が義務化されれば、飲酒運転は激減するはずです。

飲酒運転の厳罰化や啓蒙活動をさらに強化する必要があると思いますが、同時に車側の対策、飲酒運転防止システムの普及と義務化の早急な対応も期待されます。

■信号無視違反、通行禁止違反、携帯電話使用違反とは

交通違反として代表的なスピード違反、駐車違反、飲酒運転の他にも、日常的にうっかり犯しやすい交通違反として信号無視や一時停止無視、通行帯違反、通行禁止、携帯使用違反などがあります。

それぞれの違反について、解説していきます。

信号無視

交差点の停止線の手前で信号が黄色に変わったけど、安全に止まれそうもないのでそのまま侵入した。すると突然パトカーが出てきて、「信号無視」で捕まったということはありませんか?

道路交通法の規定では、「黄色信号では停止位置を超えて進行してはならない。ただし、黄色の信号が表示されたときに停止位置に近接しているため、安全に停止することができない場合を除く」と規定されています。

したがって安全に止まれない場合、信号無視は成立しないはずですが、通常は信号無視となります。反論の余地はありそうな気がしますが、実際は許してもらったという話は聞いたことがありません。

交差点の手前では、止まれるようにスピードを控えめにすることが大切です。

一時停止無視

信号のない交差点から出ていく際に、見通しが悪ければ誰でも一時停止しますが、見通しがよい場合は、どうしても減速だけですましがちです。警察は、見通しのよい交差点で見張ってることが多いので、「一時停止無視」で捕まります。

左右の見通しがよければ、減速すれば十分でないかという意見もありますが、より確実に安全の確保するためには、やはり完全停止が必要です。

通行帯違反

通行帯が2つある場合は左側を、3つある場合は左側または中央の通行帯を通行しなければいけません。追い越しや緊急車両に道をゆずるとき、または道路事情やその他の事情によりやむを得ないときを除き、右側の通行帯を走り続けると「通行帯違反」になります。

簡単に言えば、左側がガラガラなのに単独で長期間追い越し車線を走り続けると違反になるということです。違反の明確な判断基準がないので、追い越し以外は追い越し車線を走行しないのが、無難で安全です。

通行禁止

通行してはいけない「通行禁止場所」と、ここから進入してはいけない「進入禁止場所」があります。

通行禁止場所を示す標識には、「車両通行止め」と「通行止め」の2種があり、車両通行止めは車や2輪、自転車が通行禁止で歩行者は通行できます。一方、通行止めは歩行者も通行できません。

進入禁止は、標識がある場所からの車両進入の禁止です。例えば、一方通行の出口や高速道路の一般路への出口などです。ある方向からの侵入を禁止しているだけで、ルールに則れば通行はできます。

携帯電話使用違反

2000年前後に携帯電話が爆発的に普及し始め、それにともない運転中の携帯電話使用による事故も増えました。

2004年から、「無線通話装置を通話のために使用し、車に持ち込まれた画像表示装置を手で保持してこれに表示された画像を2秒以上注視」した場合、違反となり5万円以下の罰金の対象になりました。運転中にメールを見れば、それだけで違反です。

ハンズフリーやイヤホンマイクで携帯電話を固定して通話する場合は、違反の対象外です。

ただし、運転中の通話は集中力が途切れて非常に危険です。違反にならなければよいということでなく、とにかく止めるべきです。

信号無視違反、通行禁止違反、携帯電話使用違反などの違反点数
信号無視違反、通行禁止違反、携帯電話使用違反などの違反点数

取り締まり件数でみれば、スピード違反が最も多く、続いて一時停止違反、携帯電話使用違反、通行禁止違反、信号無視違反、駐停車違反、追い越し・通行区分違反の順です。

うっかりであれ、故意であれ、悲惨な結果を招くことに変わりはありません。違反キップを切られて、たまたま捕まった、運が悪かったというような考えは、してはいけません。

■交通違反の点数制度とは

交通違反の点数は、違反の危険度や悪質度、またそれらを累計することでドライバー個人の危険度を示すものです。したがって、一発で免停や免許取り消しになる場合も、累積して免停になる場合もあります。

様々な交通違反の点数とそれによる処分について、解説していきます。

行政処分と刑事処分

交通違反の処分としては、行政処分と刑事処分の2種類があります。

・行政処分
公安委員会(警察)が行う処分で、目安として違反点数6点未満の比較的軽微な交通違反に対する処分で、前科はつきません。行政処分の具体的な内容は、違反点数の付加や免許停止、免許取り消し、反則金などです。

警察の判断で不服がなければ、違反点数が付加され反則金を払えばすべて終わります。

ただし、反則金の支払いや出頭通知に従わなければ、下記の刑事処分に移行します。

・刑事処分
一般に6点以上の重大な交通違反に対する刑罰で、警察の判断だけでなく裁判所に出頭して裁判を受けます。不服がなければすぐに刑が確定する「略式裁判」、不服があれば正式な裁判となります。

裁判で有罪が決まった場合、刑罰としては「罰金」、「禁固」、「懲役」があります。罰金の場合でも、有罪なので前科がつきます。

交通違反の点数制度

点数制度は、過去3年の交通事故や違反の種類に応じた点数が累積され、所定の基準に達した場合に免許停止や免許取り消しなどの処分を行う制度です。

・処分前歴(過去3年以内における運転免許の停止処分歴)の回数によって、免許停止や免許取り消しになる点数が異なります。
・免許の処分終了後から1年間、無事故無違反であれば処分前歴は0回に戻ります。

交通違反による点数の例

・酒酔い運転 35点
・酒気帯び運転 25点(呼気中アルコール濃度0.25mg/L以上)
・酒気帯び運転 13点(呼気中アルコール濃度0.25mg/L未満)
・速度超過 50km/h以上 12点、30km/h以上50km/h未満 6点、25km/h以上30km/h未満 3点
・駐停車違反 3点、駐車違反 2点
・信号無視 3点
・通行禁止違反 2点
・携帯電話使用(交通の危機) 2点
・携帯電話使用(保持) 1点

前歴のない(過去3年以内に免許停止処分を受けていない)ドライバーが、点数累積によって免許停止および取り消しになる条件を下記します。

6点~14点までが免許停止処分に、15点以上は免許取り消し処分です。

・累積点数  6~8点    → 免許停止30日
・累積点数  9~11点  → 免許停止60日
・累積点数 12~14点 → 免許停止90日
・累積点数 15~24点 → 免許取り消し停止1年
・累積点数 25~34点 → 免許取り消し停止2年
・累積点数 35~39点 → 免許取り消し停止3年

免許停止とは、免許の効力が一定期間停止されることです。

免許取り消しは、危険性の高い重大な違反や悪質なドライバーに対して、免許資格を取り消す処分です。一定期間免許の再取得ができず、再取得する際には一から教習所に通うか、仮免の試験や講習を受けて本試験を受ける必要があります。

一発で免許停止を受けるのは、酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度0.25mg/L未満)、大型自動車無免許運転、速度超過(30km/h以上50km/h未満)、無車検運行、無(自賠責)保険運行などです。

一発で免許取り消しを受けるのは、酒酔い運転、酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度0.25mg/L以上)、麻薬等運転、無免許運転などです。

違反点数と免停、免許取り消し
違反点数と免停、免許取り消し

違反して反則金や罰金を科す「戒め」だけでは、交通安全を守ることはできません。一方、免許停止や免許取り消しは、危険性の高い悪質ドライバーが道路を走行しないようにして、一般ドライバーを守るためのルールと言えます。

■交通違反の処分とは

交通違反のお金のペナルティとしては、比較的軽微な交通違反に対する反則金と、重大な交通違反に対する罰金があります。ペナルティの額の大きさや、反則金か罰金かは、違反の種類と悪質度によって決まります。

行政処分で科せられる反則金と刑事処分で科せられる罰金の違いについて、解説していきます。

行政処分と刑事処分

交通違反の処分としては、行政処分と刑事処分の2種類があります。比較的軽微な違反は行政処分、重大な違反で裁判を受けるのが刑事処分です。

行政処分で科せられるのが反則金、刑事処分で科せられるのが罰金です。軽微な違反が行政処分になるのは、反則金を払うことで刑事事件を免除される「反則金制度」に基づいた処置です。

行政処分と反則金

公安委員会(警察)が行う処分で、目安として違反点数6点未満未満の比較的軽微な交通違反に対する処分で、前科はつきません。行政処分の具体的な内容は、違反点数の付加や免許停止、免許取り消し、反則金などです。

取り締まりの現場で交付される反則金納付書、通称「青キップ」を渡され、警察の判断で不服がなければ、違反点数を付加されて反則金を払えばすべて終わります。

ただし、反則金の支払いや出頭通知に従わなければ、下記の刑事処分に移行します。

刑事処分と罰金

重大な交通違反に対する刑罰で、目安として違反点数6点以上、一発で免許停止以上の違反です。例えば、30km/h(高速では40km/h)以上の速度違反や無免許運転、飲酒運転などが相当します。

警察の判断だけでなく、検察官や裁判官がドライバーの説明を聞いて裁判で処分を決めます。

取り締まりの現場で告知書、通称「赤キップ」を渡されたら、2週間~1ヵ月程度で裁判所から呼出状が届いて裁判を受けます。不服がなければすぐに刑が確定する「略式裁判」、不服があれば正式な裁判となります。

裁判で有罪が決まった場合、刑罰としては「罰金」、「禁固」、「懲役」があります。罰金の場合でも、有罪なので前科がつきます。

反則金の額

反則金の一例をあげてみます。

・免許証不携帯 3,000円
・無灯火違反 6,000円
・赤信号無視 9,000円
・携帯電話使用等(交通の危険)違反 9,000円
・スピード違反(25km/h以上30km/h未満) 18,000円
・高速道路のスピード違反(35km/h以上40km/h未満) 30,000円

違反をしたら、反則告知を受けた日の翌日から7日以内に、反則金を納付しなければいけません。未納のまま告知から約40日経過すると罰金と同じ扱いになり、刑事裁判を受けることになります。何度も出頭要請されたにもかかわらず応じないと、逮捕されるケースもあります。

罰金の額

罰金の額の上限や相場などはおおよそ決まっていますが、明確な基準はありません。最終的な罰金の額は、裁判で決まります。

罰金の目安をあげると、以下の通りです。

・無免許運転の場合は50万円以下の罰金、もしくは3年以下の懲役
・速度違反の超過35km/h 7万円、超過40km/h 8万円、上限は6ヵ月以下の懲役または10万円以下の罰金
・酒気帯び運転 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
・酒酔い運転 5年以下の懲役または100万円以下の罰金

反則金と罰金の決定的な違いは、罰金が刑罰のひとつであるのに対して、反則金はそれを免除してもらうための特例であることです。

ちなみに反則金の納付率は毎年98%前後で限りなく100%に近いですが、金を払えば済むでしょうという風潮は危険です。反省して、再発しないように安全運転を心がけることが大切です。

(Mr.ソラン)

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