■地頭所光選手が開幕2連勝を挙げた
6月19日(金)の都道府県境を越えての移動自粛が解除となった最初の週末となる6月21日(日) 、茨城県にある筑波サーキットで、JEVRA(日本電気自動車レース協会)主催のEVレースが早くも第2戦を迎えることとなりました。
今シーズン開幕となる袖ケ浦での50kmレースではエントリーこそ14台を集めましたが、最終的に出走台数は8台と大幅減となってしまっていました。
その袖ケ浦の開幕戦から3週間となる第2戦。テスラ3車種5台が参戦するEV-1(市販車クラス:モーター最大出力201kW以上)クラス、リーフe+のEV-2(市販車クラス:モーター最大出力151kW以上201kW未満)クラス、40kWhリーフのEV-3(市販車クラス:モーター最大出力101kW以上151kW未満)クラス、EV-C(コンバートクラス:エンジンをモーターに換装した車両)、燃料電池車のEV-F(市販車クラス:FCV=燃料電池車クラス)、3台のノートeパワーが参戦するEV-R(市販車クラス:レンジエクステンダー/発電をエンジンで行う車両)クラスの6クラス計15台のエントリーを集めましたが、最終的には12台が参戦となりました。
昨シーズンから参戦を開始したテスラモデル3が、これまでとは段違いの速さを見せつけていますが、その開幕戦でも2台のモデル3が後続を大きく引き離して、ワンツー・フィニッシュとなっています。
新型コロナウィルス感染予防および拡大防止に向け、場内でのマスクの着用、手洗い、アルコール消毒の徹底、体温チェックを行い、ドライバーブリーフィングは事前の書面で確認ということとなっています。
そしてこのJEVRAレースは、午前中に予選セッションを行い、充電のためのインターバルが設けられており、決勝レースは夕方に行われるワンデーのイベントとなっています。
この第2戦はレース距離50km(筑波のコース25周)でのレースとなります。JEVRAのレースは同じコースでの複数の開催でも戦略が異なるように工夫されています。今シーズン3回開催予定の筑波でのレースは、8月の第4戦が55km、10月の第6戦が60kmとレース距離を変えての開催となります。
この日の筑波周辺はどんよりとした曇り空に覆われ、早朝こそ少し肌寒かったものの、午後になって薄日もさしてくる好天の一日となりました。
まず午前9時40分から行われた予選セッションでは、各車ともに少ない周回でベストラップを狙うマシンが多く、3ラップ(計測2周)でポールタイムを獲得したのは地頭所 光(#1 TAISAN 東大 UP TESLA 3/テスラ モデル3/EV-1クラス)選手の1分3秒140。
地頭所選手のタイムにコンマ5秒遅れて1分3秒682で、TAKAさん(#33 適当LifeアトリエModel3/テスラ モデル3/EV-1クラス)選手が2番手に入りました。そして昨年最終戦でテスラモデル3のJEVRA初優勝をもたらした小野津博之(#10 だるいテスラ/テスラ モデル3/EV-1クラス)選手が1分4秒847で3番グリッドを獲得しました。
テスラ モデル3に続いたのは、1分11秒257のタイムで4番グリッドを獲得したレーサー鹿島(#88 東洋電産・LEAF e+/日産リーフ/EV-2クラス)選手でした。今回車両トラブルのため、車両を入れ替えて参戦した木村龍祐(#2 TAISAN UP TESLA RS/テスラ ロードスター/EV-1)選手が5番グリッド(1分12秒497)を獲得しました。
午後4時10分から25周で行なわれる決勝レース、ホールショットでスタートを決めたのは、2番グリッドのTAKAさん選手(#33 適当LifeアトリエModel3)。
地頭所選手(#1 TAISAN 東大 UP TESLA 3)は、スタートのタイミングでオートパーキングモードに入ってしまった(Dにシフトを入れても3秒間操作が無い場合Pに入ってしまう)ため、出遅れて2番手で1コーナーへ、そして小野津選手(#10 だるいテスラ)がそれに続きました。
トップに立ったTAKAさん選手はそのまま後続を引き離すべく序盤からプッシュをしますが、そのTAKAさん選手に離されないように同じく序盤からペースを上げる地頭所選手との差はなかなか拡がりません。
そして早くも4周目には周回遅れが現れ、このバックマーカーの処理もこのトップ争いに影響してきます。そして10周目の第2ヘアピンで、地頭所選手が33号車のインに入って、バックストレートでトップに浮上。
トップに立った地頭所選手は、ここからペースを上げてTAKAさんを引き離しにかかります。3番手につけた小野津選手もこのトップ2台を追う展開なのですが、序盤からモデル3がセーフティモードに入ってしまう状態で、単独3番手の走行がやっとの状態です。
レースも終盤になった18周目、ついに雨が降り出す展開となってしまいました。小雨だった雨はレースが進むにつれて徐々に強くなっていき、各車ワイパーを作動させる中でチェッカーを受けることとなりました。今回もテスラモデル3の3台が他車種すべてを3周以上ラップダウンしてのレースでした。
スタートでモデル3に続いて4番手に上がったのは木村選手(#2 TAISAN UP TESLA RS)、そして千葉栄二選手(#0 TAISAN UP TESLA S/テスラ モデルS/EV-1クラス)。スタートで出遅れてしまったレーサー鹿島選手(#88 東洋電産・LEAF e+)でしたが、すぐに木村選手がペースを落とし、4番手争いはモデルSとリーフe+のバトルが展開されることとなりました。
終始着かず離れずの展開でしたが、最終的にはレーサー鹿島選手がこれに競り勝ち4位を獲得しました。
エンジンを搭載したレンジエクステンダー車による争いは、序盤からニスモモデルに乗る廣瀬多喜雄選手(#55 ノート e-Power Nismo S)が逃げる展開でしたが、途中から熱ダレによるペースダウンを余儀なくされ、石井昌道選手(#18 TokyoNextSpeed eパワー)がこれをパス、開幕戦と同じ結果かと思われましたが、レース終盤で18号車もペースダウンし始め、それをついた廣瀬選手が逃げ切りました。
今回レースデビュー(人生初レース)でこのEVレースに参戦となった金子高志選手(#7 ブルースイッチ@リーフ/EV-2)は、自動車評論家でさまざまな車両で長年このJEVRAシリーズに参戦している国沢光宏氏の仕立てたリーフe+での参戦となりました。
予選では1分23秒096というダントツのタイムで最後尾の12番手スタートでしたが、レース中は「このクルマはまだまだいける」と分かったことからペースを上げていき、レース中のベストラップは1分15秒905と予選よりも8秒、同じリーフe+を駆るレーサー鹿島選手のレース中のベストラップ(1分14秒938)から約1秒落ちというところまでタイムアップを果たし、総合7位で初レースを終えました。
今シーズン全7戦で行われるJEVRAシリーズですが、次回は7月5日(日)に宮城県にあるスポーツランドSUGOでの「全日本 SUGO EV 50Kmレース大会」となります。