■圧倒的な存在感を放つ新デザインのスピンドルグリル
以前お伝えしたように、新型レクサスISが世界初披露されました。
レクサスISは、スポーティなデザインや走りが評価され、20年以上の間で累計約109万台を販売してきたそう。立体的な多面体構造のスピンドルグリルや一文字型のリヤコンビネーションランプをはじめ、車両前端を起点に後端に至るまで、大胆に生まれ変わったディテールが目を惹きます。
大変貌を遂げた新型レクサスISですが「マイナーチェンジ」とアナウンスされています。気になる日本発売は2020年秋頃の見込み。
マイナーチェンジですが、ボディサイズが若干拡大されています。全長4710×全幅1840×全高1435mmは改良前よりも全長が30mm長くなり、全幅は30mmワイドに、全高は5mm高くなっています。
ホイールベースは2800mmで同値(新型数値は北米仕様のプロトタイプ)。日本仕様の数値は現時点では不明であるものの、おそらくエクステリアデザインのために若干大きくなったものと想像できます。
■ラゲッジ部のキャラクターラインに注目!!
エクステリアデザインは、俊敏で挑発的を意味する「Agile & Provocative」をコンセプトとして掲げ、ワイド&ローのスタンスは、走りの良さを想起させるものになっています。
また、ボディを囲むシャープなキャラクターラインも目を惹きます。
最近は、メルセデス・ベンツやBMW、マツダ、レンジローバー(ランドローバー)などは、余計な線なり装飾なりを省いたシンプルな面の構成などを目指していて、レンジローバー・ヴェラールは日本の発表会で、マツダも最新世代で「引き算の美学」というキーワードを使っています。
一方、新型レクサスISは、シャープなラインによるアグレッシブなデザインを目指したといいます。
プロダクトチーフデザイナーの平井 健一氏は
「デザイン性の高さ実現するために、早期から製品企画、生産技術、設計、デザインそれぞれの知見を結集させ、一丸となって開発に取り組んだことで、低重心で4ドアクーペのようなプロポーションや抑揚の効いた造形など、新しいISの世界観を実現することができました。また、カラーデザインやオーナメントなど細部までつくりこむことで、味わい深い内・外装を追求しています」
と語っています。
写真を見る限り、躍動感があり、鋭利さを抱かせるエクステリアデザインは、好きな人にはかなり「刺さる」かもしれません。
具体的には、張り出した感のある前後フェンダー、L字をモチーフにした横一文字のリヤコンビネーションランプ、立体的なバンパーガーニッシュがアイキャッチになっています。
足元は、新意匠の19インチタイヤやワイドなトレッドにより、スポーティムードを強調。さらにリヤまわりは、傾斜の穏やかなリヤクォーターピラーがサイドから回り込む引き締まったキャビンシルエットを形作っています。
生産工程でも工夫が凝らされているようです。ボディパネルの製造工程では、上下方向のプレスの動きに合わせて金型が横方向からスライドする機構を追加。レクサスならではの緻密で立体的な造形を可能とする「寄絞り(よせしぼり)型構造」の最新プレス技術の採用だそう。
この最新プレス技術により、ラゲッジ部のキャラクターラインで今まで見たことのないような、高精度でよりシャープな造形を実現。
迫力満点の新意匠のスピンドルグリルも目を惹きます。フロントグリルの先端を起点に、立体的な多面体構造として押し出し感が強調されています。また、スピンドルをモチーフとしたブロック形状とメッシュパターンを組み合わせ、スポーティな印象を付与。
スポーティグレードの“F SPORT”は、専用のFメッシュパターンになるほか、グリルロア部のエアインテーク、専用19インチアルミホイール、リヤスポイラーなどの専用装備が用意されます。専用ボディカラーとして「ラディアントレッドコントラストレイヤリング」が用意され、同グレードの走りのイメージを引き立てています。
なお、ボディカラーは、強い陰影により造形を際立たせる「ソニックイリジウム」と、金属質感と高光沢を実現した「ソニッククロム」の2色が新色として加わります。
デザインに関しては、個人の好みがより強く反映されるのは間違いないでしょう。
ライバルとしてあげられることの多いメルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、アウディA4という、ドイツプレミアム御3家と比べても(写真を見る限り)アグレッシブさ、挑戦的なエクステリアデザインに仕上がっているようです。
(塚田勝弘)