通勤必須の方の感染リスクを低減。新型コロナ対策のレンタカーやカーシェアリングの低額サービス

■医療や公共交通機関などで通勤する人の感染防止策

新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、多くの企業がテレワークや在宅勤務を行っています。しかし、中には医療機関や公共交通機関など、社会生活を支える仕事に従事しているために通勤をせざるを得ない方もたくさんいらっしゃいます。

そんな人たちの通勤時における感染リスク低減策のひとつとして、低額で利用できるレンタカーやカーシェアリングのサービスがリリースされています。

●主に大手レンタカーやカーシェアリング会社が実施

医療従事者や生活必需品の流通・販売、公共交通や水道、電気、ゴミ収集などの公共サービスなど社会機能を維持する仕事を行っている人たちは、新型コロナウイルス禍下でも在宅勤務ができない状況です。

一方でレンタカーやカーシェアリングは、外出自粛の影響で利用者数が大幅に減少しているといわれています。

そんな中、レンタカーやカーシェアリングの大手企業などが、「空いている」車両を利用して、通勤がどうしても必要な人に向けた低額サービスを実施しています。

●トヨタレンタリースは1100円から利用可能

例をいくつか紹介すると、まずトヨタ傘下のトヨタレンタリースでは5月13日から「通勤アシストレンタカー」というサービスを開始しています。

新型コロナウイルス対策レンタカー・カーシェア
トヨタレンタリースでは「通勤アシストレンタカー」というサービスをコロナ収束時まで実施(写真はイメージ)

これは通勤時間帯のレンタカーを割安な価格で提供するというもの。

同社では4月30日から法人向けに、中古車を低価格でリースする「U-Carリース」というサービスを行っていますが、今回のサービスは個人が通勤で利用できるサービスです。全国約25のトヨタレンタリース店で予約受付・車両貸出を行っています。

料金プランにはいくつかありますが、最も安いシンプルプランで1100円(免責補償制度なし)。免責補償付きでも2000円〜2500円で借りられます(補償内容により異なる)。

利用できる時間帯は、店舗の営業時間により多少違いますが、基本的には15時以降の出発で翌朝10時まで。

借りることができる車種は選べませんが、ピクシスなどの軽自動車、ルーミーなどのエコノミー、アクアなどのエコノミープラス、プリウスなどのスタンダードの4クラスのいずれかになります。サービスは、新型コロナウイルスが収束するまで実施される予定です。

*詳細は「トヨタレンタリース公式サイト」へ

●日産の電気自動車を無償で利用可能

日産では、全国で展開しているカーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」で、1〜2時間の利用の料金に相当する1回あたり1600円の利用料が無償となるサービスを5月1日から31日まで行っています。

e-シェアモビは、リーフやノートe-power、セレナe-powerといった電気自動車のみを使ったカーシェアリングサービスのことです。

新型コロナウイルス対策レンタカー・カーシェア
日産の電気自動車をカーシェアする「e-シェアモビ」

このサービスは、買い物など生活維持に必要な最低限の外出や仕事のために出かける必要がある人への支援策として開始されたものです。

主な内容は、利用1回につき1600円(時間料金約1~2時間相当分)の料金を割引するというもので、期間中の利用回数は無制限となっています。

実施期間は、2020年5月1日(金)0:00 〜2020年5月31日(日)23:59までの返却分まで。今後の状況によっては、期間が延長される場合もあるそうです。全国のNISSAN e-シェアモビステーション(全車種対応)で実施されています。

*詳細は「e-シェアモビ公式サイト」へ

●ガリバーは最大3ヶ月間クルマを無償提供

中古車販売の全国チェーン「ガリバー」を運営するIDOMでは、1万人を対象に同社所有のクルマを最大3ヶ月間、無償提供する「ガリバー新型コロナウイルス対策クルマ支援」を実施しています。

新型コロナウイルス対策レンタカー・カーシェア
ガリバーでは、通勤せざるを得ない1万人を対象に、同社所有のクルマを最大3ヶ月間、無償で提供

4月15日から受付を開始したこのサービスは、医療従事者から通期が必要な事業を行う企業や個人、配送が必要な飲食店や小売店、通院や介護などで長期的に外出が必要な人など幅広い層を対象にしたものです。

利用方法は、LINE特設アカウント「ガリバークルマ支援」を友達登録した上で相談するというもの。クルマの受け渡しは全国のガリバー店舗などで行われます。

ところがこのサービス、4月15日の受付開始後24時間で、対象人数である1万人を超える問い合わせが殺到。そこで当面は、緊急性の特に高い医療従事者と短期利用者(最大3泊4日)を優先して無償提供することになっています。

長期利用者の募集については、追加車両の用意が進み次第、順次対応するとのことです。詳細は特設サイトで確認できます。

*詳細は「ガリバークルマ支援 特設サイト」へ

●夜間利用が格安のタイムズカーシェア

ほかにも、たとえばパーク24が全国で運営しているカーシェアサービス「タイムズカーシェア」では、通勤などで混雑を避けて移動できる「ナイトパック(18:00〜翌9:00)」を期間限定で全クラス一律480円(税込)で提供しています。

新型コロナウイルス対策レンタカー・カーシェア
タイムズカーシェアでも、夜間利用料が格安のサービスを展開(写真はイメージ)

対象は、同サービスの全会員で、通常価格(税込)は2640円〜5280円(車種で異なる)ですので、かなり格安です(距離料金16円/kmは別途必要)。2020年8月1日(土)9:00返却分まで実施しています。

*詳細は「タイムズカーシェア公式サイト」へ

緊急事態宣言は、首都圏と北海道を除く地域で解除されていますが(5月21日現在)、まだまだ感染第2波の恐れがあるなど、予断を許さない状況が続いています。

仕事で通勤が必要な方は、感染予防策のひとつとして、ぜひこれらを参考にしてみて下さい。

(文:平塚直樹/写真:日産自動車、平塚直樹)

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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