●スポーツカーの生きる道を示す一台。GRヤリスは「所有しない」CASE時代への挑戦
「2019年は実り多き年でした」。GAZOO Racingカンパニー友山プレジデントの、2019年のモータースポーツ活動の振り返りから幕を開けたのが、TOYOTA GAZOO Racingブース。
朝一番、9時30分からのGRヤリスことヤリスGR-4の発表を見ようと詰めかけた報道陣を含め、ブース周辺でには黒山の人だかりが。
ダカールラリーでは総合優勝、WECではチームとドライバーズタイトル、WRCではドライバーズタイトル奪取というトヨタのモータースポーツの破竹の勢いを市販車に反映させたのがGRヤリスです。
「人を鍛え、クルマを鍛える」もっといいクルマ作りの基盤をモータースポーツに据えるトヨタ。これまでのプロセス「レースを勝つために市販車を仕上げる」から「レースに勝つためのクルマを開発する」という逆のアプローチで作られたGRヤリス。
製造方法も見直され、少量・変種・変量というスポーツモデルに特化した「GRファクトリー」も新たにスタート。匠の技術の技能継承のための場にもなるようです。
そんなGRヤリス、デビューを記念したプレミア付きの「1st EDITION」がまずは予約開始されました。ベースグレードという位置づけのRZの車両価格は396万円。「1st EDITION」ならではの、WRCジャパンのチケットや特別応援席など、たくさんの予約特典が用意されています。
BBSホイール+ミシュランタイヤ、レッドキャリパー、インタークーラースプレー、スウェード表皮のシートなどを備えるRZ”High performance”が456万円。86でいうところの“RC”的なグレードも用意されるはずで、こちらはいくらになるか気になるところです。
「CASEの時代にスポーツカーを開発する意味はあるのか」は、相当社内でも議論された様子です。それでも「速く、かっこよく移動したい」という人間の不変なる感情に訴えるクルマ作りがどのような走りを見せてくれるのか楽しみです。
(写真:井上 誠 文:畑澤清志)