■日本でも扱いやすいサイズのレクサスUX版EV「UX300e」
レクサスは、中国・広州で11月22日(金)~12月1日(日)まで開催される「広州モーターショー」において、ブランド初となるEVの市販モデル「UX300e」を世界初公開しました。2005年のRX400h発売以降、ハイブリッドを強みに北米を中心に躍進してきたレクサスは、電動化技術のパイオニアとして常に優れた走行性能と環境性能の両立を追求してきたとしています。
2019年の東京モーターショーでも電動化ビジョンの「Lexus Electrified」を発表し、話題を集めたのは記憶に新しいところ。レクサスは、ハイブリッドで培ったモーター制御技術を軸として、パワートレーン、ステアリング、サスペンション、ブレーキなどを統合的に制御し、走行シーンに応じた駆動力コントロールを行うことで理想的な車両姿勢を実現。より安心安全で運転する楽しさを感じられるクルマを提供することを目指すと表明しています。
同ビジョンのもと、初のEV市販モデルとなる「UX300e」は、EVの潜在能力を活かしてクルマの根源的な価値を磨き上げるべく開発を推進したそう。
具体的には、コンパクトクロスオーバーであるレクサスUXが持ち味とする個性的なデザインや、高い利便性、取り回しやすさはそのままに、同ブランドのEVならではの上質で「すっきりと奥深い走り」と優れた静粛性を追求したとのこと。
ドライバーの運転感覚に寄り添った自然な加減速フィールと高出力モーターによる優れた加速性能を両立したほか、大容量バッテリーの床下配置により低重心化と航続距離400kmを実現。さらに最新のコネクティッド技術が採用されるなど、EVとしての価値を最大化しながら、運動性能や日常の使い勝手との二律双生を目指したとしています。
■日本での発売は2021年前半。航続可能距離は400km
「UX300e」は2020年以降、中国や欧州などを皮切りに順次発売され、日本での発売は2021年前半を予定とされています。注目の走りは、EVでもドライバーの意図に忠実な滑らかな加速フィーリングを実現し、ドライブモードセレクトによって、ペダル操作に対して瞬時にトルクが立ち上がるEVならではの力強い加速フィーリングを味わうことも可能としています。
また、パドルシフトにより減速度を4段階から選択することで、ガソリン車のエンジンブレーキと同じように減速操作ができるなど、EVの特性を最大限活かしながら自然な操作性が得られるそうです。さらに、モーターやバッテリーを車体下部に配置することで実現した重心高の低さ、前後重量配分や慣性モーメントの最適化などにより、優れた車両の運動性能を実現。
ガソリン車などと同様に、「GA-Cプラットフォーム」を使い、その高い基本性能をさらに磨き上げるべく、ブレースの追加やショックアブソーバーの減衰力最適化など、EV化による運動特性の変化に合わせ、細部に至るまでチューニングが施されています。
EVならではの優れた静粛性をさらに高めるべく、床下バッテリーに遮音壁としての機能が持たされているほか、エンジンやトランスミッションの音がないゆえに聞こえる風切り音や小石・砂などの巻き上げ音にも配慮。キャビンの心地良い静けさを実現したそう。ドライバーの自然な運転感覚を大切にし、走行中のサウンドにもこだわりました。アクティブサウンドコントロール(ASC)を採用することで、車両の走行状況を感じられる快適なドライビング環境を実現。ドライバーや同乗者に心地良いサウンドを提供するとしています。
気になる航続可能距離は400km。54.3kWhの大容量バッテリーをはじめ、ハイブリッド車で培われたモーター、インバーター、ギヤ、バッテリーといった主要装備の効率を最大化し、システム全体としての性能向上が図られています。また、低温、高温下でも正常に動作するようバッテリーに温度調整機能が用意されているほか、過充電防止システムや多重監視のセーフネットにより、高い信頼性を確保したとしています。
最新のコネクティッド技術を採用。専用アプリによるスマホとの連携で、バッテリー残量や走行可能距離表示、充電の必要があるかを確認できます。また、充電完了までの時間を把握したり、出発時刻に合わせて充電が完了するようタイマーを設定することも可能。さらにエアコンやシートヒーター、デフロスターなどを車外から稼働させることができるなど、高い利便性も備えています。
外観は、タフな力強さと俊敏な走りを想起させる大胆かつ洗練された仕立てで、優れた空力性能を確保するために専用ホイールや床下空力カバーが新開発されています。内装は、シフトバイワイヤを採用したセンターコンソールなど、すっきりとしたEVらしい操作系としています。
安全装備では、予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」が搭載されていて、交通事故や事故死傷者のさらなる低減と、ドライバーの負担軽減を目指したほか、運転支援時にドライバーにとって自然で、安心感のある車両挙動が追求されています。
(塚田勝弘)