■スマホがシェアカーのリモコンキーになる
アルプスアルパインは、「CASE」や「MaaS」などのキーワードに代表される100年に一度の自動車業界の大変革に対応するため、アルプス電気とアルパイン、両社の強みを活かして独自の「シームレススマートモビリティソリューション」を追求しています。そのコンセプトのもとに提案するコクピットは、未来のカーシェアリングをイメージしたものです。
ユーザーがスマホで自動運転のカーシェア車両を呼ぶと、キーの役割を果たすのが「スマートアクセス」です。日本では現時点で規制の関係で実用化されていませんが、規制緩和が行われれば、手持ちのスマホがキーになります。Bluetoothによる測距技術で近接を検知し、クラウド経由で認証を済ませるとロックが解除されるという仕組みで、スマホがカーシェアリングにふさわしいキーデバイスに早変わりするというわけです。
車内に入ると、事前に設定した目的地がカーナビゲーションに反映され、最適なルートや立ち寄り先を自動提案して、シェアカーにダウンロードされます。
「Premium HMI」と命名されたHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)は、タッチ操作や感触フィードバックによる直感的な操作と、ハードスイッチを減らしたスマートなインテリアを実現しています。これは、アルプス電気とアルパインの統合の成果の一つといえる技術です。
さらにドライバーモニタリングにより、着座姿勢や体調が分かるバイタルサイン、読書などの行動をチェックし、たとえば読書を始めるとライトが自動点灯されるなど、安全かつ快適な移動をアシストします。
目的地に着いた後は、ラストワンマイルといわれる移動の最後の区間…つまり駐車場などから目的地スポットまでのナビをスマホにバトンタッチします。また、シェアカーにありがちな忘れ物があった場合はそれを検知して乗員に知らせる機能も搭載されます。
そのほか、アルプスアルパインのブースでは、「ハードとソフトで、音の感動を生み出したい」という謳い文句とともに、「聴こえない」残響まで再現した高音質や、ハイレゾを支える専用部品などを紹介するサウンドコーナーも設けられています。
(文/写真 塚田勝弘)