●東京オリンピック・パラリンピックの選手よりも先に「e-Palette」に試乗
東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村などで使われる専用EV「e-Palette(東京2020オリンピック・パラリンピック仕様)」に同乗試乗する機会がありました。なお、東京モーターショーでも「e-Palette」は出展されますが、こちらはより未来を提案するショー専用コンセプトなるそうです。
最高速19km/hという低速自動運転EVである「e-Palette」は電車のドアを参考にしたという開口幅1300mmの大開口で、段差のない乗降スペースが確保され、そのまま超フラットなフロアが広がっています。もちろん、車いすの乗降も容易で、自動でステップが展開されます。
車いすを使う場合は最大4名の乗車が可能。天地に高い室内など開放感があるキャビンが印象的で、シートや手すりなどももちろん用意されています。
なお、「e-Palette」は、SAEの自動運転の分類でレベル4に相当。同社の車両制御プラットフォームに専用開発の自動運転システムが搭載されています。自動運転制御ハードウェア、ソフトウェア、カメラやLiDAR(ライダー)などのセンサー、そしてレベル4に不可欠な高精度3Dマップを搭載。さらに、運行管理によるサポートも不可欠となっています。緊急停止スイッチや周囲を映し出すモニター(電子ミラー)などが用意されています。
今回、同乗試乗したクローズドコースの自動運転走行でもコースの地図が収録されていて、センサー類により横断歩道にいる歩行者を検知して横断歩道手前で停止。歩行者が渡り終わると、再び発進。さらに、急に飛び出してくる歩行者に対しても自動ブレーキで停止するというスムーズな走行を披露してくれました。
低速走行なので揺れは少なく、EV走行のモーター音らしき音が聞こえてくる程度でした。
東京オリンピック・パラリンピックでの選手村などで運行される「e-Palette(東京2020オリンピック・パラリンピック仕様)」。選手や関係者がストレスなく移動できるモビリティとして、世界にその先進性を示すため、今後もより熟成を重ねていくとしています。
(文/塚田勝弘 写真/角田伸幸)