●表彰台に登った3チームが最終戦でのチャンピオンの権利を有するチームに
9月22日、宮城県のスポーツランドSUGOで「2019 AUTOBACS SUPER GT Round 7 SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが行われました。
雨の予報が出ていた決勝日。午前中は曇り空でしたが、12時25分からのウォームアップ走行後、各チームが決勝のスターティンググリッドに向かう頃に細かい雨が降り始めます。グリッドウォーク中はその細かい雨が降ったり止んだりで特に傘を必要とするほどの雨量ではありません。
しかし午後2時からのスタートを前に少しずつ雨脚は強くなりはじめ、パレードラン直前にレースはセーフティカー(SC)先導でのスタートとなります。午後2時にSCスタート。SCスタートの場合、オープニングラップからレースとしての周回がカウントされます。3周目でSCが解除となり、4周目からレースが始まりました。
スターティンググリッドではドライ用のスリックタイヤを履くか、ウエットタイヤを履くかで選択が分かれます。その中で、ポールポジションの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはスリック。しかしスタートすると雨量が多くなったため、61号車をはじめ予選3位の25号車 HOPPY 86 MC、5位のNo.7 D’station Vantage GT3などのスリックを履いたマシンは次々と順位をを落としていってしまいます。
そんなSC解除後にトップに立ったのがレインタイヤを選択した予選2位の55号車 ARTA NSX GT3。
56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rと33号車 エヴァRT初号機 X Works GT-Rが続きます。
しかしその直後からハイペースで追い上げてきた予選5位の4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGがリアライズ 日産自動車大学校 GT-RとエヴァRT初号機 X Works GT-Rを追い抜き一気に2番手へと上ります。
さらに13番手から65号車 LEON PYRAMID AMGが20周を過ぎると初音ミクの直後につけ3位まで浮上。このLEONには前戦オートポリスでSUPER GTデビューしたばかりの菅波冬悟選手がドライブ、デビュー間もないルーキーらしからぬ素晴らしい追い上げをみせていました。
GT500クラスの38周目で、GT500車両が2コーナーでコースアウトし動けなくなってしまうとSCが導入されます。ARTA NSX GT3や初音ミクなどトップ3がその直前に ピットインしていたために順位の影響を受けることはありませんでした。そのSC解除後は、雨は強さを増しコース上の水量が増えていきます。ここでグッドスマイル 初音ミク AMGがペースを上げ、LEON PYRAMID AMGをかわすと、トップに立っていたARTA NSX GT3に噛み付いていきます。
雨量の多い中での水煙が舞い散るバトルをが繰り広げられます。途中タイヤ選択でペースダウンしていたGT500マシンを抜いていくという場面もありながらARTAが逃げ切っていきます。
またそのバトルの後方では激しい3位争いが展開され、その中から抜け出した96号車 K-tunes RC F GT3が3位となっています。
そんな激しい雨のSUGOを制し優勝したのはARTA NSX GT3。
前戦までランキングトップだったARTA NSX GT3は今回の優勝で20ポイントを獲得しチャンピオンに王手をかけます。
そんなランキングトップのARTA NSX GT3、意外なことに実はこのSUGOが今季の初優勝!
そしてこの表彰台に登る3チームが最終戦でのチャンピオンの権利を有するチームとなります。ARTAは4位以上で入賞すればチャンピオン。K-tuneはARTAが5位以下でなおかつ優勝すればチャンピオン。初音ミクはARTAがノーポイントでK-tuneが5位以下となった状態で優勝すればチャンピオンとなります。
最終戦までもつれ込んだチャンピオン争い。その最終戦のツインリンクもてぎは11月2、3日に開催されます。
(写真:吉見幸夫、松永和浩 文:松永和浩)