大分県のオートポリスを舞台に、9月8日に決勝レースが行われた「2019 AUTOBACS SUPER GT Round 6 AUTOPOLIS GT 300km RACE」。Modulo勢は予選での不調を跳ね返すような活躍を見せました。
終盤、一時は4位まで浮上した34号車。
GT300クラスの34号車 Modulo KENWOOD NSX GT3は荒れた路面と火山灰によってグリップ感が掴めないという状況の中、決勝を見据えたタイヤチョイスで予選18番手と厳しいスタートとなりました。
14時30分にスタートした決勝レース。スタートラップは順当に順位変動なく走ったものの直後にGT500クラスのアクシデントによってセーフティーカー(SC)が導入されます。そしてSC解除となると予選4位だった61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTがミッショントラブルでピットイン。そして18号車 UPGARAGE NSX GT3とのバトルを繰り返しながらもGT500での10周目には15位までポジションをあげていきます。
GT500クラスの20周目辺りから第一コーナー周辺で雨が降り出します。ウェットとドライが混在する路面が各チームのマシンを苦しめ始めます。GT500クラスの30周を過ぎた辺りではホームストレート以外はかなりの雨量となり各チーム続々とピットイン。しかし交換されるタイヤはレイン、スリックと様々でここがひとつの勝負どころとなってきます。Modulo KENWOOD NSX GT3はレインタイヤを装着しピットアウト。
しかし、このピットアウトで大きなミスを犯してしまったModulo KENWOOD NSX GT3。タイヤ交換に使うインパクトレンチのエアチューブを引っ掛けたままピットアウトしてしまったのです。これは後にピット作業違反のペナルティとなってしまいます。ペナルティはペナルティとして受けることとなりますが、そのペナルティの分までタイムを稼がなくてはいけないModulo KENWOOD NSX GT3。
しかしピットアウトの直後にはSCが導入されると、全チームが同一周回となり前を走るライバルとの差も一気に縮まります。前を行くライバルが見えたSC解除の瞬間からのModulo KENWOOD NSX GT3の走りは凄まじいものがありました。スリックタイヤを履いていたライバルを次々と追い抜きピットアウト時に14位のポジションだったところからたった2周で6位まで浮上してきます。しかしジェットコースターストレートの先で9号車 PACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHEがコースアウトし、再びSC導入となってしまいます。
3回目のSCがGT500の49周目に解除されると再びペースを上げてきたModulo KENWOOD NSX GT3。ドライブするのは「雨は嫌いだ」と言っていた大津弘樹選手。しかし好きか嫌いかは別として雨のオートポリスでは光る走りを見せてくれました。GT500の54周目にはなんと4位に浮上!ここまででスタートから14台抜きとなっていたのです。
ここまで速さを見せてくれたModulo KENWOOD NSX GT3ですが、GT500の55周目でピット作業違反のドライブスルーペナルティを消化のためにピットロードを走行します。そして最終的には11位でのフィニッシュとなってしまいました。
ペナルティを受けて順位が落ちたとは言えここまで速さを見せたModulo KENWOOD NSX GT3について道上龍選手は「どちらに転がるかわからない天候でレインタイヤを選択したことで作戦は間違っていなかった」と語ります。その上で「ピット作業違反によるペナルティで勝負権を失ったことは本当に残念です」と語ります。
また次戦のSUGOについては「今回は天候の変化で他のチームも一斉にピット・インして大混乱となりました。SUGOもピットが渋滞しやすいサーキットなのでその辺りを十分に気をつけて臨みます。コースとしては昨年もいいレースが出来たサーキットなのでポテンシャルを発揮できるように組み立てていきます」とも語ります。
次戦は昨年のModulo KENWOOD NSX GT3を大きく飛躍させたSUGO戦となります。その立役者だった大津弘樹選手は「事前のテストでもフィーリングは悪くないので予選からパフォーマンスを見せられるようなレースにしていきたいです」と語ります。
結果は11位ですが内容はかなり濃いレースとなったオートポリス戦。次戦のSUGOもModulo KENWOOD NSX GT3にとっては得意と言えるコースです。活躍に期待しましょう。