■設計自由度の高い小型車用プラットフォームを発表。コンパクトSUVも登場する?
トヨタが欧州で、新しいスモールカー用プラットフォーム「GA-B」を発表しました。現行プリウスのデビュー時に話題となった「TNGA(トヨタニューグローバルアーキテチャー)」による小型車向けのプラットフォームです。
プリウスやC-HR、カローラなどに使われる「GA-C」プラットフォーム、カムリやRAV4の採用する「GA-K」プラットフォーム、そしてレクサスLSやクラウンなどFRモデルが使う「GA-L」プラットフォームに続く、TNGA世代のプラットフォーム第四弾の登場です。
トヨタの走りが変わったと評価される「GA-C」「GA-K」プラットフォームと同様に、新しい「GA-B」プラットフォームにおいても自然なドライビングフィールは重要なテーマとなっていると発表されています。同時に、コンパクトカーのニーズに合わせてローコストや軽量化も考慮した設計になっているということです。
そのポイントは運転席のレイアウトにあります。可能な限り低くマウントしているのです。シートポジションに合わせてステアリングを最適化できるよう考慮されています。そのほか、ハイブリッド用バッテリーの配置なども含めて、低重心化を進めているのも特徴です。
サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リヤはトーションビームを基本としていますが、車種によってはマルチリンク式サスペンションが採用できる設計になっているといいます。次期ヤリスに採用されるであろう「GA-B」プラットフォームには、走りの面でのパフォーマンスも期待できるのです。
また、モジュラー設計とすることで、ホイールベースやトレッドなどの設計自由度を高めているのも特徴です。つまり「GA-B」プラットフォームを採用した様々なモデルが登場することが予想できるのです。とくに気になるのはロードクリアランス(最低地上高)の自由度が高いという点です。つまり、コンパクトクラスのクロスオーバーSUVが登場する可能性大というわけです。
ところで、欧州で発表された画像にもかかわらず右ハンドル仕様のプラットフォームとなっているのは日本のファンとして嬉しいところではないでしょうか。モデルライフの長くなっているハイブリッド専用車「アクア」も、この新しい「GA-B」プラットフォームによって生まれ変わることになるのでしょうか。
(山本晋也)