●史上最強のスカイラインの登場は最高にうれしいけど…
マイナーチェンジした日産 スカイラインに新しく設定されたグレード「400R」は、スカイライン史上最強となる405馬力のエンジンが搭載されたモデルです。
まだGT-Rがスカイラインのグレードだった時代、つまりR32〜R34までのエンジンは280馬力でした。そして、現在のV6・3リットルが304馬力のエンジンが標準タイプとなります。そしてラインアップに追加された「400R」は405馬力と、スカイライン史上最強のエンジンスペックを誇ります。
かつてニスモが手がけたR33スカイラインGT-Rベースの「ニスモ400R」というモデルが存在しましたが、そことは違う系統のモデルで、ネーミングのみが共通性があるというものです。
じつはこの400Rがかなりの人気を誇っています。8月25日時点での受注状況ではハイブリッドが48%で約半分を占めますが、300馬力モデルが27%なのに対して、400馬力モデルの400Rが24%もの比率を誇るのです。この数値はスカイラインのファンがいかにはいパフォーマンス好きかということがわかる数値と言えるでしょう。
GT-Rがスイカラインから独立してしまった今、スカイラインの名を持つハイパフォーマンスモデルは貴重な存在と言えます。そして価格の面も見逃すことはできません。スカイライン400Rの価格は550万円強です。対してGT-Rは1000万円オーバーがスターティングプライスですから約2倍です。もはや別世界のクルマとなってしまったGT-Rのポジションを埋める存在が400Rとみてもいいでしょう。
かつて、スカイラインからGT-Rが消滅していた時代。日産はRSというモデルを作っていたことを思い出させてくれました。たとえ、GT-Rがなくてもその心意気はある。スカイラインにはやっぱりそのポジションが必要なのです。そして考えてみて下さい。400馬力のハイパワーFRという存在が日産のスポーツセダンに登場したという事実はとても重要なことといえるでしょう。
400R登場は最高にうれしい出来事だったのですが、撮影をしていてちょっとだけ、いや大きな残念ポイントを見つけてしまいました。それはスピードメーターです。スピードメーターのリミットは180km/h! もちろん日本の公道では120km/hまでしか速度は出せません。でも、やっぱりメーターはもっと上まで刻んで欲しいじゃないですか。ね。
(文/写真・諸星陽一)