トヨタ86 速攻インプレッション! アクセルを踏む快感を何倍にも増幅させてくれる等身大のスポーツカーだった!

東京モーターショー2011でようやく全貌が明らかになってきたトヨタ86。2012年春ということもあり、街角で見掛けるようになるまではまだまだ先のハナシになりそう。
ところがモーターショーのプレスデー開催期間中に、イチ早くチューニング業界の関係者向けに86の試乗会が行われるというので、期待に胸をふくらませて参加してきました。

会場には6MTが3台、6ATが1台用意されていて、ブリッピング機能を搭載した6ATにも興味があったけど、ボクが選んだのはやっぱり6MTモデル。タイヤはモーターショーの出展車両が18インチを履いていたのに対し、16インチだったから、廉価グレートのようです。
それでもコクピットにおさまるとノーマルにしては着座位置がかなり低く、スポーツマインドを高めてくれる。車内は全体的にチープでもデザインでもなく、程よくタイトで、「コイツは間違いなくスポーツカー」だと実感できます。

いざ走り出すと、音量はあくまでもひかえめで、絶妙にチューニングされたスポーツサウンドが耳に飛び込んでくる。回転を上げるほどに高揚感が高まるサウンドで、ひと昔前のスバル車のようなドロドロという音は発しないが、カラダ全体でボクサーエンジン特有の鼓動を感じることができます。
エンジン特性はS2000のような超高回転志向の官能的なキャラクターではないけど、もっさりとした印象は皆無。全域で適度なトルクを感じながら加速していき、とくに4000rpmあたりの盛り上がりは印象的で、そのままトップエンドまでストレスなく吹け上がる。パワフルではないけど、適度なトルクを伴いながら、きっちりと使い切れるエンジンに仕上がっている。スポーツカーのお手本のようなエンジンだと思います。

足まわりもわずか10分の試乗で確認できることはしれているけど、とにかく安定感が高く、ソリッドな雰囲気はない。ドライバーに不安を与えない範囲で素早く挙動に反映させることができるだけのボディと足まわりが与えられています。発売はまだまだ先ですが、「アクセルを踏んで積極的に振り回したいと思わせるクルマに久々に出会った」と感じました。

個人的に独断で点数をつけるなら、92点! はっきり言ってムチャクチャ好印象です。パッケージとしての減点はゼロ。外観はリアのプロポーションはいいけど、フロントはもう少しアクセントが欲しいのでマイナス5点。あとは主力モデルは250万円前後になりそうなので、「等身大のスポーツカーとしては、あと20~30万円下げてくれるとうれしい」という願いを込めて、マイナス3点。でも、NA&FRスポーツカー好きにとって、かなり欲しい一台であることは間違いありません。

(正松本宏)