【追悼モンキー・パンチ】『ルパン三世』に登場した名車たち、チンクチェント「フィアット500」から「スバル・サンバー」までを一挙紹介!

■メルセデスベンツSSKとチンクチェントだけじゃない劇中登場車たち

2019年4月11日に、漫画家のモンキー・パンチさんが逝去されました。81歳でした。

モンキー・パンチさんといえば、怪盗アルセーヌ・ルパンを祖父に持つ、世紀の大泥棒・ルパン三世が主人公の人気アニメシリーズ「ルパン三世」。1971年にTVシリーズがスタートし、映画やTVスペシャルアニメが現在も作り続けられています。ルパンは、卓越した頭脳と技量、そして卓越した能力を持った仲間達で数々のお宝を盗っていきます。
彼ら大泥棒にとって大事な要素として「可能な限り素早く移動すること」。つまりクルマは、ルパンにとって大切な相棒なのです。そのため作中には数々のクルマたちが作中で活躍していました。

今回は、ルパン三世シリーズに登場する数々のクルマのなかからいくつかピックアップしてみたいと思います。

1.メルセデス・ベンツSSK


TVシリーズの1stのオープニングなど作品初期に登場したルパンの愛車。1928〜1932年に生産されたスポーツ・ロードスターです。
開発指揮をしていたのは、当時在籍していたポルシェの創業者であるフェルディナンド・ポルシェ。彼はSSKの生産開始間もなくポルシェを創業します。当時のフラッグシップスポーツ「モデルS」のシャシーを48cmショート化し、スーパーチャージャー付7.0L直列6気筒エンジンを搭載していました。生産台数は40台に満たないといわれており、その半分以上はレーシングカーとしてエンジン出力が300馬力(公道向けは200馬力)に引き上げられ販売されました。1931年の「ミッレミリア」を制しています。現在は4〜5台が現存しており、2004年にイギリス・チチェスターで開催された国際オークション「Bonhams」にて当時2番目になる417万イギリスポンド(約8億2000万円)で落札されました。

2.ミニ


泥棒がクルマに求めるのは、コンパクトかつクイックであること。イギリスの名車・ミニクーパーはまさにうってつけの1台。初登場は、初のアニメ映画作品の「ルパン三世 ルパンvs複製人間」。劇中では永遠の生命を与えると言い伝えがある「賢者の石」を巡って奔走。ルパンが自分を逮捕するために躍起になる銭形警部率いるフランス警察と石を求める「マモー」なる謎の人物による超巨大なトレーラーから逃れるためミニクーパーで全力疾走し、スーパードライビングでこの難を逃れました。

3.フェラーリ・F40


1990年に放送されたTVスペシャル「ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎」に登場しています。物語は、アメリカ小説界の巨匠、アーネスト・ミラー・ヘミングウェイが生前冒険の最中に見つけた財宝の手掛かりを書き記した「ヘミングウェイ・ペーパー」とその財宝を中心にした内容です。作中でF40は、ルパン達の仲間(状況でコロコロ変化する)である女泥棒・峰不二子のドライビングで戦闘ヘリに追われるシーンで登場します。助手席にはルパンが乗っており彼は彼女のドラテクを「F1で(ファステスト)ラップが取れるかもな〜」と評していました。実際、F40は開発に参加した当時のフェラーリF1パイロットであるゲルハルト・ベルガー氏も手を焼くほど「跳ね馬」なスーパーカーでした。

4.スバル・サンバー


TVシリーズ第2期の第151話「ルパン逮捕ハイウェイ作戦」に登場しています。ルパンが仲間とともにダイヤの原石を狙うという話です。作中で登場したのは3代目サンバーの5ドアキャブオーバーのワンボックス仕様。しかもルパンの改造でダイヤの原石が満載したコンテナトレーラーをいとも簡単に牽引している様子が描かれています。

この時、ルパンを逮捕しようする銭形警部率いる警察のパトカーは、初代スバル・レオーネ4WDでした。

5.フィアット500


ルパン三世の相棒として最も活躍したクルマは、イタリアの名車・フィアット500ではないでしょうか?TVシリーズ第1期で登場(運転していたのは峰不二子)し、そして近年ではデジタル・リマスター版が上映されるほどルパン三世シリーズで最も人気のある映画作品「ルパン三世 カリオストロの城」でルパン人気とともにフィアット500の知名度もぐんと上がりました。2007年作品「ルパン三世 GREEN vs RED」では新旧500がカーチェイスするというシーンも(この時は、新型500の発売前にもかかわらずフィアットからの資料提供があった)

昨年放映された最新テレビシリーズ「ルパン三世 PART5」では、OPでロケットが出てきて宇宙に飛び人工衛星に超高性能カメラをヘッドライトから飛び出したマニピュレータで取り付けるといった「ルパン・テクノロジー」満載な描写されています。
「フィアット500」は、今も、そしてこれからもルパン三世の手足として、どこかに眠るお宝を求めて走り続けていることでしょう。

フィアット・ジャパンは11日、公式ツイッターを通じて感謝のツイートを発信しました。

モンキー・パンチさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

(栗原 淳)