【日産・デイズ試乗】カスタム志向のハイウェイスターは新CVTのフィールが好印象

日産が発表した新型のデイズ シリーズ。今回、その中でもカスタム志向のハイウェイスターに乗ることができましたので報告します。

試乗したのはNAとターボの両モデルです。

新型デイズでは完全新設計のエンジンが与えられました。これによってNA、ターボモデルともにトルクを大きくアップさせています。

また、日産におけるマイルドハイブリッドシステム「Sハイブリッド」の機構も一新されました。従来はこのシステム用に鉛電池が使用されていましたが、新型ではより高効率なリチウムイオン電池に変更されています。これによってエネルギー回収量が大幅に増えました。

減速時の回生エネルギー収集量は従来モデルに比べて約2倍。停車中にもより長く電装品へ電気を供給することができるため、アイドリングストップ時間は従来モデル比で約10%アップしています。

さらに発進時等に加速の手助けをするモーターアシストの時間が、前モデル比で10倍以上にもなりました。

早速NAエンジンモデルから試乗してみます。

まず初めにアクセルを大きく踏み込んで加速をしてみると、エンジンはサウンドを大きく可変しつつ、レッドゾーンの手前まできっちり回りながら車速を上げてていきます。

ドライブしたモータージャーナリストの諸星陽一氏によれば「CVTでありながらエンジンサウンドの高まりと加速の高まりにシンクロ感がある」とのこと。
一般的にCVTでの弱点とされる、エンジン回転だけが先に高まり、車速が遅れてついてくるという印象がありません。

これはCVTを新設計した賜です。新CVTの制御にはDステップ変速と呼ばれる、あえて加速に「段」をつけた変速を行う制御もしています。これによってアクセルを踏んで加速する際、人間に違和感のないフィールを獲得できました。

続いてターボモデルに乗り込みます。

「NAでも十分なトルクが与えられていると感じました。が、やはりターボ搭載モデルのそれは大きくは強まっています。加速力が向上していますね」と諸星さん。

「100km/hまでフル加速を試してみますと、そこはやはり小排気量車の宿命でエンジンサウンドは高まっていく傾向にあります。ただ高回転域でもやはりエンジンの力強さは間違いなくNAよりも上回っていることが実感でき、その差はかなり明確です」。

ハンドリングについて諸星さんは「ハイトが高いにもかかわらず、コーナーでも乗っていて安心感があります。また、コーナー途中で一定舵角でステアリングを保持している状態でのフィールの良さも印象的ですね」。

NA、ターボともに乗り心地もよくハンドリングも適度に機敏なものです。

ただ、違いもありまして「装着しているタイヤが変わっているからかターボの方がややダイレクトに路面の段差を伝えてくる傾向にあります」(諸星さん)とのこと。

新開発のエンジンとCVTの組み合わせは、新型デイズハイウェイスターに余裕ある走りをもたらしてくれました。高速道路を日常的に走るのでなければ、NAエンジンでも十分に納得できる加速力を持ち合わせていることが特に印象的でした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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