●「全部のせ」の限定車で熟成されたゴルフGTIを味わう
新型ポロGTIに加えて、600台限定で発売されたup! GTI、そしてゴルフGTIという大本命により、2018年は約13年ぶりに3台のGTIが揃ったことになります。
今回試乗した「ゴルフGTIダイナミック」は、100台限定の特別仕様車で、MT車はすでに販売終了しています。DSG仕様は2018年12月時点で若干残っていたようです。
専用装備は18インチアルミホイール(レッドストライプ)、アダプティブシャーシコントロール「DCC」、ダイナミックインジケーター付LEDテールランプ、純正インフォテイメントシステム「Discover Pro」、デジタルメータークラスター「Active Info Display」、ダイナミックアシストライトが特別装備されています。
ゴルフGTIダイナミックは、2.0Lの直列4気筒DOHCターボを搭載し、230ps/4700-6200rpm、350Nm/1500-4600rpmというスペック。ボディの剛性感が高く、少し硬めの乗り味など、走り出しからゴルフGTIらしいテイストが存分に味わえます。「DCC」をノーマルにした時の減衰感が乗り心地的にはベストバランスに思えました。
さらに、踏み込めば6速DSGがスムーズかつ適度なダイレクト感を伴いながらシフトアップ。6000rpm超(レッドゾーンは6500rpm)まで回るものの、どちらかというと、中・低速域のトルク感が印象的で、もう少し高速域のパンチ力があれば……と思うのは贅沢かもしれません。なお、6速100km/hのエンジン回転数は1750rpm。
中・低速域のコーナーでも扱いやすいものの、最も得意とするのは高速道路の巡行でしょう。全車速追従式のアダプティブクルーズコントロールも駆使すればロングドライブも苦もなくクリアしてくれますし、ランバーサポートを備えた前席なら疲れも最小で済むはず。
次期型のゴルフ8は、2019年の今年にも披露されますから、現行ゴルフGTIの熟成ぶりを445万9000円というオプション全部のせ仕様で味わう手もありそうです。
(文/写真 塚田勝弘)