【株式会社ジェイテクトの人材育成】若手を育てる社風がEPS世界シェアNo.1を支える!

1921年創立の光洋精工と1941年設立の豊田工機株とが、2006年に合併して生まれたジェイテクト。主たる事業は自動車関連であるが、とくに電動パワーステアリング(EPS)は世界シェア25%強を誇り、これは世界No.1。油圧式パワーステアリングも製造しており、完成車メーカーからの多様なニーズに対応できる体制を築いている。

世界初のEPSをジェイテクトが市販化したのが1988年。今では乗用車の半分以上が搭載するまでに普及した。今後は自動駐車システムや車線逸脱防止支援システムなど、EPSの制御自由度を生かした運転支援システムが普及して行く。そこでジェイテクトでは、高度運転支援システム(ADAS)や自動運転システムへの発展を予想した研究開発を進めている。

自動車関連だけで50以上の講座を用意

そんなジェイテクトでは、若手エンジニアに対して、どのような教育をしているのだろうか?

「特徴のひとつと言えるのは、社内に設けている技術教育講座。自動車関連だけで50を越える講座を用意しています。年度初めにカリキュラムが発表され、希望者は上司と相談したうえで受講します。講師は社内のスペシャリストだけでなく、外部から招聘することもあります。社員なら誰もが必ず一度は受けたことがある、というほど普及しています」

「現在の自動車製品は、機械と電気とが密接に関係しています。学問の世界でも、新しい研究分野が生まれたり、境界領域の研究が盛んになっています。そのため弊社に入社してくれるエンジニアのバックボーンも様々です。一方で、どのような学術的バックボーンを持ったエンジニアでも、業務を行なううえで専門外の知識が必要になる場面が必ず出てきます。そうした時に、この技術教育講座を通じて、仕事に直結した知識を増やしていけるわけです」

通常業務に関しては、OJTを通じて先輩から教わっていく。そしてジェイテクトでは、業務を通じて横の繋がりが生まれ、経験豊富な先輩社員に質問する場面が増えていく。これは仕組みというよりは社風であり、それを支えるのは管理職の姿勢である。

「もちろん部署を越えてのコミュニケーションは大歓迎です。業務を円滑に進めるためだけでなく、知識や技術を伝えるためにも、良い意味での先輩後輩という関係性を築きやすい環境を整えるよう配慮しています」

ジョブローテーションする際には、個々の専門性・特性を見つつ、将来を考えたうえで配属先を決める。将来を担う若手エンジニアが力を発揮できる環境づくりを大切にしている。

グローバルに活躍するチャンスも

世界各地に研究所・工場・事務所を構えるジェイテクトだから、グローバルに活躍したい、という想いを持って入社する社員も多い。そうした若手エンジニアに対して、どのように対応しているのだろうか?

「確かに、グローバルに活躍するチャンスは少なくありません。語学トレーニングという形で一定期間を海外で過ごすことも可能ですし、テクニカルセンターに赴任することができます。海外事務所の駐在員として活躍する若手もいますし、海外出張はたくさんあります。そもそも国内の社内にも外国籍社員は多くいますから、国内勤務であっても、一日英語しか話さなかった、という時もあります。このような環境ですから、英語力は武器になりますが、仮に英語が苦手でも、できるように育てますから安心してください(笑)」

物怖じせず意見の言えるエンジニアに来てほしい

ジェイテクトが求める若手エンジニアとは、どのような人材なのだろうか?

「もちろん最低限の学問的素養は必要です。弊社は機械系のイメージが強いかもしれませんが、近年は電気系や制御系の採用が増えています。それに、環境工学や材料を学んでいたエンジニアもいます。もちろん専門分野はひとつの特技として大切にして欲しいのですが、社会に出てからは伸び代が求められます」

「そこで重視するのは、パーソナリティ=魅力的な人間であるか、ということ。先輩や上司に対しても、物怖じせず積極的に、前向きな意見を述べて欲しい。若手は経験が少ないわけですが、一方でベテラン社員は知らず知らずのうちに社の色に染まってしまう面もある。そんな時、若手なりの感性を生かして意見を言える、そんな人間性を持ったエンジニアを求めています」

サプライヤーとしては極めて稀なことに、ジェイテクトは社内にテストコースを所有している。エンジニアは、自ら開発した製品をクルマに実装して、試験・評価する機会もある。クルマ好きのエンジニアには堪らない環境だ。

サプライヤーは、完成車メーカーの下請けではない。要素技術に関しては、完成車メーカーよりもサプライヤーのほうが知っている、というのは業界の常識だ。ジェイテクトは世界中の完成車メーカーを顧客に持っており、自社製品を通じて世界と接する機会がある。1台のクルマについてではなく、ひとつのシステムを媒体にクルマを深く理解したいというエンジニアにとって、じつに魅力的な企業ではないだろうか。

お話をうかがった方々


小林幸洋氏(株式会ジェイテクト 電子システム企画部 システム開発室 第2設計グループ)


賀治宏亮氏(株式会社ジェイテクト 電子システム企画部 部長)


藤田 祐志氏(株式会社ジェイテクト 電子システム企画部システム開発室 第1設計グループ)

【関連リンク】
株式会社ジェイテクト
〒450-8515 愛知県名古屋市中村区名駅4-7-1
http://www.jtekt.co.jp

(クリッカー編集部)