ホンダのスポーツフラッグシップモデル「NSX」が初のマイナーチェンジを受け、2019年モデルとして発表しました。発売開始は2019年5月からとなりますが、オーダーはすでに始まっています。
つまり、カタログや各種メディアの記事、クチコミ情報などをもとにこうしたクルマのオーナーになる人は、試乗もせずに税込み2370万円のクルマを買ってしまうのだなあ、と庶民は驚いてしまいますが、試乗しないどころか、一度も乗らずに所有だけしているオーナーも少なくないという噂です。
2016年8月の新車発表から2018年10月までの国内累計販売は約400台というNSX。年間販売計画が100台ですから倍のペースで売れているというわけですが、やはり400台というのは絶対数としては少なく、なかなか見かけることもありません。しかも、400台のすべてが公道を走っているわけではないのです。
まことしやかに囁かれているのですが、コレクションとしてナンバーを付けずに、オーナーのガレージに収まっているケースもあるという噂です。
しかも、その台数は1台や2台といった話ではありません。なんと国内だけで販売台数の1割~2割が未登録状態で保管されているというのです。原則としては販売店から未登録でオーナーのもとに届けることはないといいますが、こうした特別なスーパーカーでは、そうした対応もあり得るのでしょう。
そして、未登録ということはおそらく動かしていないと予想できます。運搬時以外にはエンジンをかけていないといえそう。つまり、将来的に走行距離が一桁の「奇跡の一台」となる可能性を秘めてNSXが、日本だけで数十台はあるということになります。
果たして、その姿を見る日は何年後になるのでしょうか。早くても10年以上は先の話となりそうです。
なお、新車が書類だけでナンバーをつけるためには「完成検査修了証」が必要です。完成検査というのは自動車メーカーが生産後に行なう、各社で不正が発覚した例の検査ですから、どんな内容の検査かご存知でしょう。そして完成検査修了証の期限は9か月。未登録で何年も保管されてきた奇跡の一台にナンバーをつけるには、きっちりと整備して、車検ラインを通してクリアしなければいけないのです。
※写真は2019年モデルNSXメディアプレビューにて撮影したもの。記事内容とは関係ありません。
(山本晋也)