コンチネンタルタイヤがアジア太平洋地域向けに開発した新作タイヤがマックス・コンタクト MC6です。このタイヤ、なかなかの実力の持ち主、とくに最新のクルマとのマッチングは非常にいいフィーリングでした。
なぜ、アジア太平洋地域向けタイヤが必要なのか? というと、ヨーロッパではアウトバーンに代表されるように連続高速走行が多く、その速度域での性能を最重視します。このマックス・コンタクト MC6もタイヤのスピードレンジ記号はY(300km/h)までとW(270km/h)までと、ヨーロッパのハイスピードでも十分に対応できるものですが、重視されたさまざまな性能がヨーロッパのそれとは異なると思えばいいでしょう。とくに日本はノイズや燃費などを含めた総合性能についてうるさいユーザーが多く、タイヤも厳しい評価が行われる国民性があることが知られています。
今回、テスト車として選んだのはフォルクスワーゲンのアルテオンです。フォルクスワーゲンのフラッグシップセダンなら、マックス・コンタクト MC6のテストベンチとして申し分のないクルマと言っていいでしょう。装着サイズは、標準と同じ245/35R20Y XLです。タイヤ空気圧は250kpaとしました。
装着直後、一般道を走るとしっとりした手応えであることが確認できます。ステアリング操作に対して急な動きは発生しません。最初の走行距離10km程度は「ポンポン」というような打音が目立ちましたが、タイヤが馴れるに従ってその音も消えました。おそらくタイヤのエッジが取れて、滑らかになった効果でしょう。
街乗りレベルの速度域での乗り心地は十分に確保されています。扁平率35%とエアボリュームが少ないサイズでの試乗でしたが、静粛性も含めて十分なレベルを確保していると言えます。連続した「シャー」音などもなく、静粛性は快適レベルだといえるでしょう。乗り心地についても、十分に納得できるものでした。
舞台を高速道路に移しても、その快適性は受け継がれていて、100km/h巡航でもノイズレベルは極端に大きくなるようなことはなく、安定しています。マックス・コンタクト MC6のグルーブ(溝)内には”ノイズ・ブレーカー2.0″と呼ばれる突起が設けられていて、この効果がしっかりとでている感じがします。
高速走行で素晴らしかったのがレーンキープ機構とのマッチングのよさです。微少舵角時にコーナリングフォースの立ち上がりが高いタイヤだと、レーンキープ機構が働いたときに急な動きが発生してしまいます。マックス・コンタクト MC6はこの非常に微少な舵角のときのコーナリングフォースの発生がゆったりとしているので、クルマの動きが急激ではなく、スッスッと車線逸脱を防ぎます。ですので効き過ぎる感じはなく、きれいに車線内にクルマを収めます。