コンチネンタルはタイヤを作っているだけではなく、自動運転技術を含めた各種の運転バイスなども開発、提供するサプライヤーです。レーンチェンジがどのように働くか、といったこともゼロから理解しているので、こうしたきめ細かい動きをするタイヤの開発ができるのでしょう。
高速走行時のノイズもよく抑えられています。標準タイヤと同レベルのノイズですが、ちょっと成分が違って、マックス・コンタクト MC6のほうがノイズが低音系の印象です。これはマックス・コンタクト MC6がブロックが連続しているタイプのパターンだからでしょう。低音系ノイズのほうが体感的には優しく、快適性は高いと言えます。
高速時の乗り心地についても十分なものです。首都高の継ぎ目も上手に吸収し、いなしていきます。コンパウンド(タイヤのゴム)が柔らかく、最初の当たりに柔らかさを感じることができるのが特徴的です。
この柔らかさを生かせるのがコーナリングです。レーンキープ作動時にはゆったりとしたグリップ発生をするマックス・コンタクト MC6ですが、そこから舵角を増していったときのグリップの立ち上がりがよく、グッと手応えが増します。とくに高速でコーナリングするようなコーナリング半径が大きなシチュエーションでは、粘つくようにタイヤが路面をつかみ安定感のあるコーナリングを味わうことができます。クルマがフルロールしている状態からのラインの変更も容易で、自由度の高いドライビングができます。
試乗時、有料道路でゲリラ豪雨に襲われました。視界はおよそ10m(霧ではなく雨でです)。走行抵抗感をしっかり感じるような路面状況(水深)でしたが、グリップが抜けてハイドロプレーニングを起こしているような状況にはなりませんでした。メーター内のESCインジケーターが点灯することもなく、安心感を損なわずにドライビングが可能で、思いがけずにマックス・コンタクト MC6のマルチパーパス性を確認することができました。
アジア太平洋地域をターゲットにして作られたというマックス・コンタクト MC6は、まさに日本の道、気候にマッチしたタイヤという印象を受けました。夏タイヤとしての総合的なパフォーマンスは十分に備えているタイヤと言えるでしょう。レーンキープ機構とのマッチングがよかったのはもちろんですが、レーンキープ機構が働かない状況での直進安定性、センタリングの良さは優れていて、高速移動からワインディングまで広い範囲で、納得の性能を披露してくれました。
販売開始時、マックス・コンタクト MC6のサイズライアンアップは、205/55R16 91Wから295/30R20 101Y XLまで42サイズ。今後、サイズ拡大をしていく予定だといいます。
(文/諸星陽一 写真/Izm・小宮岩男)