ジュネーブショーが「世界で最後まで開催されるモーターショー」と言われる魅力とは?

今年も行ってきました! 私の春の風物詩(?)、ジュネーブモーターショー。

今年は3月6-7日がプレスデー。8日~18日が一般公開日。つまりまだ公開真っ最中!

とはいえ、一般公開日には行ったことがありませんが、個人的には世界のモーターショーの中で私が一番好きなモーターショーが「ジュネーブモーターショー」。

でもこれは、どうやら私だけの話ではなく、自動車メーカーにとっても同じのようです。

現在、特に新興国などでも自動車の普及が高まると共に各国でモーターショーが開催されいます。つまり、世界中のモーターショーの開催数は右肩上がりで増える一方。しかし、自動車メーカーにとって、モーターショーはかなりお金のかかる大イベントで、例えばフランクフルトモーターショーで大きなブースを構えるメルセデスベンツは数十億円単位の規模で出展されているらしく、相当大きな出費となります。これはBMWやフォルクスワーゲングループも同じ。しかし、自国開催であれば優遇されても、違う国で行われる場合はアウェーとなり、ブースの場所やプレスコンファレンスの時間など、いろいろなところに不公平が出てくるらしいのです。

とはいえ開催国にとっても自国の自動車メーカーを優遇したいというのは当然の話。そのため、このところはひとつのエリアでひとつのモーターショーにしか出展しない「1リージェント制」をとっている自動車メーカーが増えています。東京モーターショーもアジア最大の市場である中国に出展するため、東京には出展しないメーカーが出てきているのはそのためです。

そんな中でも最後まで開催されると言われているのがスイス・ジュネーブモーターショー。というのはスイスはご存知、中立国。自動車産業においても自国に自動車メーカーが無いため、こちらも中立の立場なので、ほかの国のように「えこひいき」が無いことで自動車メーカーは出展しやすいという事情もあるようです。

そして周辺には高級リゾートがあり、お金持ちが多いこと。そしてカロッツェリアが多く、小さなスポーツカーブランドやスーパーラグジュアリーブランドもここにだけは出展するというブランドも多数。もちろん「フェラーリ」や「ランボルギーニ」も新型モデルを発表します。さらに3億9000万円、1500馬力もある「ブガッティ・シロンスポーツ」のような目を惹くスーパーラグジュアリースポーツカーや「ピニンファリーナ」の水素を使ったEVコンセプトカー『H2スピード』など、ジュネーブではスーパーハイスペックなモンスターマシンや、より贅沢なクルマなど、毎年「バブリーなスーパーカーショー」。まさにクルマ好きにはワクワクが止まらない夢のパラダイス。

クルマ好きの方なら会場に入った途端「うわーっ!」とテンションが高くなるはずです。

とはいえ、一方で今年は「インフィニティ」や「MINI」などは出展せず、カフェスペースになっている場所もあったりしますが。

「自動運転」も「AI」も遠い夢物語ではなくなってきましたが、ジュネーブショーにはもちろんそれらもありつつ、お金や成功を手に入れてからでないと手にできないクルマたち、もうひとつの「夢の世界」があります。むしろこちらのほうが手に入れにくい「夢」。だからこそ、ジュネーブモーターショーは、「世界で最後まで残るモーターショー」と言われているのかもしれません。

吉田 由美