【東京モーターショー2017】自動運転がもたらすアウディの提案する「一日の25時間目」とは?

第45回東京モーターショーに日本初登場の5台を含む9台の車両を出展するアウディ。

10月25日(水)、午前10時から行われたプレスブリーフィングでは、アウディ ジャパンの斎藤徹社長が登壇しました。

「技術による先進(= Vorsprung durch Technik)」をブランドのキャッチコピーに掲げるアウディは、特に自律走行の実現に向けた技術開発に力を入れている印象があります。今回がドイツ以外での初お披露目となった「Audi Elaine Concept(アウディ エレーヌ コンセプト)」は、高速道路上であれば130km/hまでの速度で車線変更を含む自動運転が可能なシステムを搭載しているそうです。このコンセプトカーをベースに、「Audi e-tron スポーツバック」の開発が進んでおり、2019年には生産が開始されるとの発表がありました。

現在、世界中に合計で約12億台の車両が走っています。道路はクルマであふれ、多くの国で通勤時における渋滞や都市間の長距離移動などによる経済面やプライベートな時間の損失は計り知れないものになります。アウディでは、クルマの自動化を進める事によって人々を運転から開放し、時間を有効に使える環境づくりを目指しているそうです。友人との会話を楽しんだり、リラックスしたり、または仕事を片付けるなど生産性の高い過ごし方のために、彼らが「一日の25時間目」と呼ぶ時間を提供する事で次世代のモビリティへの貢献を目指している様です。

同社の「A8」は、中央分離帯のある比較的混雑した高速道路を60km/h以下で走行している時という条件に限り、ドライバーがステアリングホイールから手を放し運転以外の行為を行うことが可能な機能を搭載しています。およそ40種類のドライバーアシスト機能を備えたこのアウディのフラッグシップセダンは、2018年には日本でも販売が開始されるそうです。

自動運転機能のさらなる進化にとっては、各国における法整備も急務の課題となっています。斉藤社長は、日本においてはアウディ ジャパンが積極的に関係各所への働きかけを行っていくとコメントしていました。日本でも、公共交通網の充実した東京や大阪などの大都市中心部以外では、通勤や通学を含む日常生活にクルマは無くてはならない乗り物です。「A8」に搭載されている様な運転支援機能が比較的安価なモデルまで採用されれば、私たちの生活にも大きなメリットがありそうです。アウディが語る「25時間目」が、早く普及して欲しいですね。

(Toru Ishikawa)