日産がEVから家庭へ電気を供給するユニットを発表

日産自動車、「日産リーフ」の駆動用バッテリーから一般住宅へ 電力供給するシステムを公開
日産自動車、「日産リーフ」の駆動用バッテリーから一般住宅へ 電力供給するシステムを公開

日産自動車が「日産リーフ」の駆動用バッテリーから一般住宅へ電力供給するシステムを公開しました。
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2011/_STORY/110802-01-j.html

これはどういうものかというと、一般住宅の分電盤に直接接続し、コネクターを日産リーフの急速充電ポートへ繋ぐことで、日産リーフに搭載している駆動用の大容量リチウムイオンバッテリーに蓄えた電気を住宅へ供給することができるものです。

三菱が以前に開発を発表したi-MiEVから100V電源を取り出す装置とは考え方が全く違い、給湯器やIHクッキングヒーターなど住宅のあらゆる電気系統に電気を送るためのシステムとなるので装置そのものはかなり大型になります。

言ってしまえばスマートグリッドへの基礎システムの一つを開発したということで、例えば太陽電池で発電した電気をリーフに充電し夜間にその電気を使うとか、夜間に商用電力からリーフに充電した電気で昼間のピークタイムの電気を賄う、といった使い方が出来るようになります。

リーフのリチウムイオン電池の容量は24kwhで一般家庭の消費電力の2日分に相当します。ですので、万が一の停電時もこのシステムを使えばいつもどおりの電気を丸2日、極端に節電すれば1週間はもたせられるということになります。そして、こういったシステムを導入されようという方は太陽電池などもあわせて導入されるでしょうから、基本的には停電など電力会社の都合に左右されにくくなることになるでしょう。

実際にこのシステムを送電網に繋ぐためには電力会社との調整や経済産業省との折衝が必要になると思いますが、再生可能エネルギーを有効に使うためにはこういった蓄電システムが非常に重要である、ということを日産がはっきりと示したことは、とても大きな意味があると思います。

大事なことなのでもう一度記しますが、太陽光発電も風力発電も、蓄電とセットで考えなければ、電気を無駄に作ってダダ漏れさせることになるのでエネルギーの無駄づかいと変わりありません。ここに気がついている日産は、リーフそのものや、リーフのバッテリーを使った様々な提案をしてくれます。今回の発表もその一つなのです。

(北森涼介)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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