日本無線は、自動車の先進運転支援(ADAS)や自動運転システム向けに、センチメートル単位の高精度で位置測定できるGNSSチップの開発に着手しました。
開発中のGNSSチップはJG11と名づけられており、2018年4月からサービスが開始される準天頂衛星のL6信号(センチメートル級精度の測位補強信号)を受信することで、従来より高精度で位置を測定できるということです。
現状のカーナビゲーションシステムで使用されている従来のGNSS受信機の測位精度は数メートル単位ですが、新開発のGNSSチップ(JG11)はL6信号の補強データで測位を行うことで、センチメートル級の高精度な位置精度を実現しています。
新開発のGNSSチップは、L6受信と複数の衛星からの電波を受信できるマルチ衛星システムを小型ワンチップに内蔵したことが特徴で、測位精度の向上により衛星測位だけで自車の走行レーンを判定でき、より精密に車両位置を測定できます。
センチメートル級の高精度が実現すると、自動車自動運転システム以外にも高精度の位置測定を利用できる分野が想定されており、将来のスマート社会を支える技術に成長することが期待されます。
同社では、新開発のGNSSチップを車載品質基準のAEC-Q100を満たして製品化する計画で、 2018年秋にサンプルリリースを予定しています。
(山内 博・画像:日本無線)