トヨタ紡織は、プラスチックの耐衝撃性能を向上させる技術を開発し、当該技術を自動車シートやドアトリムに活用するとともに、自動車用以外の用途にも広く応用を拡大する業務提携の覚書を 三井化学と締結したと発表しました。
今回、トヨタ紡織が豊田中央研究所と共同で開発した技術は、「高耐衝撃プラスチック」をプラスチックに添加する改質剤として利用する技術で、「高耐衝撃プラスチック」を通常のプラスチックに添加することで耐衝撃性を飛躍的に向上させることができます。
この「高耐衝プラスチック」は、 植物由来樹脂のポリアミド 11と石油由来樹脂のポリプロピレンに、三井化学製の相容化剤を複合化させて、衝撃を吸収できる構造にしたプラスチックのことです。
「高耐衝撃プラスチック」が高い耐衝撃性を持っているなら、例えば自動車シートの骨材を全て「高耐衝撃プラスチック」で製造すれば、と単純に考えるのですが、「高耐衝撃プラスチック」を通常のプラスチックに添加する「改質剤」として使用する点がキーポイントのようです。
新開発されたプラスチックの耐衝撃性を飛躍的に向上させる技術は、トヨタ紡織が製造している自動車シートやドアトリムに限らず、 耐衝撃性が求められる樹脂を使用する色々なプラスチック製品に応用できるので、トヨタ紡織は三井化学との業務提携を結ぶことで、同社の販路を利用して広く他の業界への拡大を目指しています。
(山内 博・画像:トヨタ紡織)