F1やルマンより人気!? アメリカの国民的モータースポーツ「NASCAR」

その存在くらいは知っていても、日本にいたら遠い世界だと感じるモータースポーツって、実はアメリカンモータースポーツかもしれません。日本ではF1やル・マン24時間、WRCといったヨーロッパ型のモータースポーツばかりが話題になりがちですが、アメリカンモータースポーツもなかなかに、見逃せない魅力持っています。

特にインディと並んでアメリカの国民的モータースポーツとして知られるNASCARに注目しましょう。ストックカーと呼ばれながらもその実体は、市販車に似せた表層を被せた専用レーシングカーであること、日本ではなじみの薄い楕円のオーバルコースで闘うことが多いこと。などが我々にとって特殊に思える要素でしょう。

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日本グッドイヤーでは、国内の様々なイベントにNASCARの競技車両及び専用タイヤを展示し、その魅力を発信しています。

一見単純そうに思えますが、アメリカ全体を熱狂させるだけの面白さ、奥の深さがあるのがNASCARです。NASCARとは正確にはアメリカ最大のモータースポーツ競技団体の名称であり、同時にその団体が主催するストックカーレースを意味します。ひと言でNASCARといっても、いくつものカテゴリーがあります。ピラミッドの頂点にあるのがスプリントカップ。スプリントカップの型落ちのマシンで闘うネイションワイドシリーズ、ピックアップトラックベースのマシンで闘うキャンピングワールドトラックシリーズです。その下にダッジウイークリー・レーシングシリーズとリジョナル・レーシングシリーズという総称で地域ごと複数のカテゴリーが存在します。さらにはNASCAR以外の競技団体が主催するレースもあり、社会人系や学生などの下位カテゴリーまでを見ていくとキリがないほど。この幅の広さもまた国民的モータースポーツといわれる所以です。

もともとアマチュアレースから始まったNASCARは70年近くの歴史があります。その中で1954年から現在に至るまで、60年以上にわたってタイヤを供給してきたのがグッドイヤーです。最高峰のスプリントカップを例に取ると、最低重量3300ポンド(約1500kg)の重量級マシンで、搭載される5.8ℓのV8 OHVエンジンの最高出力は実に800ps以上。こんなモンスターマシンが、短いレースでも400km、長丁場となると1000kmもの距離を、激しいバトルを繰り広げながら全開で闘うのです。それを支えるタイヤがいかに過酷か。クラッシュが頻出するほど過激で、コースによってバンク角も違えば路面状況も違う。そうした状況で求められるタイヤ性能に、グッドイヤーは60年も応えてきたのです。

ワンメイク供給は、チームごとにタイヤ性能の差はありません。だからこそドライバー、チーム同士で本気の腕っぷしバトルができて、よりレースが盛り上がります。NASCARへの参戦を経験したドライバーに訊くと「時速300km以上で4輪ドリフトに近い状態で、壁すれすれのレコードラインを踏み抜く。他車をミリ単位で交わしながら走るのは、まるで時速300kmでテトリスをしているようなもの」だそうで。いかにNASCARが凄いのか伝わるような言葉ですが、それも安心して踏み抜けるタイヤがあるからこそ。

ちなみに先の3大シリーズを見ると、それらは同時期に同じサーキットで開催されることが多く、その場合、80台以上ものマシンに対して、2000本以上のタイヤが同時に供給されるそうです。そうした供給体制の確立や、イコールコンディションゆえの品質管理を含めて、グッドイヤーは全身全霊をかけてNASCARを足もとから支えているのです。

(中三川 大地)

【関連リンク】

日本グッドイヤー株式会社

http://www.goodyear.co.jp/index.php

 

NASCARオフィシャルHP

http://www.nascar.com