「クリッカーオブザイヤー2014」を選ぶにあたり、何を基準にするか当然悩んだわけですが、ユーザー視点でクルマを見たとき一番ワクワクするのは「いままでなかったことにチャレンジしているかどうか」だということに気がつきました。
いわば“挑戦”しているクルマこそイヤーカーにふさわしいのではないかと思ったわけです。
そんなキーワードで選んだ車種は、ダイハツ・コペン、日産スカイライン、スズキ・ハスラー、日産eNV200の5台。どのクルマもいままでになかった機能や装備、コンセプトがあることはクリッカー読者ならわかると思います。
これら5台のなかで10点をつけたのがダイハツ・コペンでした。
「着せ替えボディ」「樹脂パネルを採用」「個性的なシャシー構造」など軽自動車でありながら数多くのチャレンジを行っているクルマです。
コペンに10点をつけたのは、“挑戦”というキーワードで選考したからには悩む必要さえなかったことでした。
そのコペンについては開発主査の藤下修氏にいろいろ話しをうかがいましたが、なかでも
「着せ替えコンセプトでオープンカーのコペンを通して、生活そのものをコンバーチブル(複数に転換できる)して欲しい」
という販売するだけ終わりではなく、販売後にユーザーがより楽しめる提案を行う姿勢を強く見せていることに感心してしまいました。
また軽量化について大きな効果を生む反面、コストが高いとされている樹脂パネルについてもパーツの大きさやコペンの販売台数を考えた場合では大規模な生産設備を必要とせず町工場レベルの規模で製造できるためコストを抑えることができるなど、まさに逆転の発想ともいえる考え方でにも驚きもしました。
昨年11月には“XPLAY(コペン エクスプレイ)”が追加され、今年中に「第3のモデル」と呼ばれる丸目ヘッドランプを採用した新たなモデルの登場が控えるコペン。
軽自動車の枠に収まらないクルマといえるコペンは、私にとって最高得点を与えるべきクルマだったのです。
【テヅカ・ツヨシ】