シトロエンが圧縮空気式ハイブリッドカーのコンセプトモデルをパリ・モーターショーに出展!

シトロエンは、先日のパリ・モーターショーで圧縮空気モーターを利用したハイブリッドカーのコンセプトモデル「C4 Cactus Airflow 2L」を出展しました。

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このシトロエンC4 Cactus Airflow 2Lは、1200ccのダウンサイジング・エンジンを搭載し、減速時にエンジン動力や運動エネルギーを圧縮空気に変換して、車体後部の圧縮空気タンクに貯留しておき、アシスト力が必要な再発進時や加速時に圧縮空気を圧縮空気モーターへ供給して駆動力を発生する仕組みになっています。

従来のCactusから車重が100kgも軽量化され、2リットルの燃料で100kmを走行できるリッター当たり50キロの高燃費を誇っています。

トヨタ・ホンダなどの日本メーカーは、バッテリーと電気モーターを利用してハイブリッド・システムを構築していますが、シトロエンの圧縮空気式は高価で重量が重いバッテリーを使用しない点で、これらのシステムとは対極に位置するシステムと言えます。

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日本では、トヨタ・ホンダに代表されるバッテリーと電気モーターによるハイブリッド・システムがエコカーの主流になっていますが、欧州ではダウンサイジングとクリーン・ディーゼルが主流であることを考えると、シトロエンが圧縮空気式ハイブリッドを開発したのは、欧州流の考え方が基本になっているのかもしれません。

そもそも圧縮空気モーターの技術は200年の歴史があり、初期の魚雷や鉱山用の鉄道に採用されてきました。現在では、航空機のジェットエンジンに始動装置として利用されています。

シトロエンは、今回のコンセプトカーで圧縮空気モーターという古くて新しい技術を利用してみせた、ということになります。

これからもハイブリッドカーやエコカーには、いろいろな方式が登場することが予想されますが、今回のシトロエンが提案する圧縮空気モーター方式を含めて、どのシステムが次世代の主流となって世界市場を制覇することになるのか、が楽しみなところです。

(山内 博)