北米市場での販売好調だけでなく、登場したばかりのレヴォーグやWRXシリーズ(STI/S4)の走りの評価も高いスバル。目指すは「欧州車を超える走り」をキーワードに、開発陣は次の進化に向けて切磋琢磨しています。
実はレヴォーグ&WRXシリーズの開発では、STIコンプリートカーのノウハウも数多く投入されているようです。
コンプリートカーで先行投入をしたノウハウやアイデアを、後の量産車にフィードバック…という構図ができあがりつつあります。実際にSTIのエンジニアがノーマルのレヴォーグに乗って「これは最初からtSですね」と言ったとか!?
量産でSTIコンプリートカー並みの走りを手に入れたとなると、STIコンプリートカーは更にその上を行く必要があるわけで…。
そんな中、8/30-31に開催されたスーパーGT第6戦「第43回 鈴鹿インターナショナル1000kmレース」で、グランドスタンド裏の「スバル/STIブース」にさり気なく展示されていたWRブルーのフォレスター。“tSコンセプト”と記されていますが、これは近々マイナーチェンジが予定されているフォレスターの発売に合わせて限定発売される「フォレスターtS」に間違いないでしょう。
走りの部分は、フレキシブルタワーバーやドロースティフナー、フレキシブルサポートと言ったSTI独自理論のフレキシブル系の補剛アイテム(もちろんフォレスター専用)の追加や、専用チューンのサスペンション、タイヤは245/45R19サイズのBSトゥランザER33、ホイールはBBS製鍛造が奢られています。さらにはホイールの隙間から見えるのはブレンボ製の対向キャリパー。これまでtSは認証の関係で量産車に準じたタイヤサイズ/ブレーキを採用するのが常でしたが、BRZ tS以降は専用品を使うようになっています。
エクステリアはSTIロゴの付いた専用グリルやスポイラー類などを追加。インテリアを覗く(ドアは開閉できず)ステアリングやメーター、シフトノブ、シートが変更されています。シートはWRX STI(量産モデル)と合わせたかのようなコーディネイトです。
ちなみにフロントグリルを撮影中に、ラジエターの前にノーマルモデルにはないオイルクーラーを発見。これは恐らくリニアトロニック用でしょう。WRX S4でもサーキットでの油温上昇が懸念材料となっているため「STIバッジが付くからには…」という開発陣のこだわりだと思います。ボンネットも開けられませんでしたが、恐らく2.0直噴ターボ「DIT」なのは間違いないでしょう。
これまで登場してきた「tS」よりも「Sシリーズ」に近付いたモデルのように感じたのは、ここ最近のスバル車の進化が著しいからなのでしょうか!? ちなみにスバル/STIブースの近くにはレクサスブースがあり、そこには最大のライバルになるであろうレクサスNX200t「Fスポーツ」の姿が。2Lターボ搭載の走りにこだわるクロスオーバーSUV。フォレスターtSが登場したら、比較してみないといけませんね。
(大地颯人)