乗るとわかる! フィアット・パンダだけで味わえるポイント3つ

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フィアット・パンダといえば1980年に初代が誕生して以来、コンパクトなボディにもかかわらずパッケージが良く高い実用性を誇るクルマとしてイタリア車好き、クルマファンのみならずオシャレな人々にとっても気になるブランドであり続けています。

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昨年、6月には3代目となる現行モデルが日本でデビューを果たし同じ輸入車だけでなく国産モデルにも多くのライバル車を持ちながら「500(チンクエチェント)」とともにフィアット クライスラー ジャパンの基幹車種として日本市場で奮闘していることはみなさんご存じでしょう。

しかし、イタリア車であることやマニア好きする車種なため「乗らず嫌い」をしている方や、「コンパクトカーなら国産車が一番」とパンダに見向きもしない方はけっこういるのではないでしょうか。

日本発売から約1年たったいま、パンダを改めて試乗したところ乗ればわかる数多くの良さ、また国産コンパクトカーでは味わえない多くのポイントがわかりました。

 

●超個性的でパワフルなツインエア・エンジン

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_PANDA_MIL0982パンダに搭載されているのは「ツインエア」と呼ばれる875cc2気筒エンジンです。

乗用車に搭載されるエンジンとしては世界的に珍しい2気筒の「ツインエア」は個性的なエンジン音と振動が特徴ですが、逆に振動を気にする人は2気筒というだけで毛嫌いしてしまうかもしれません。

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しかし、アイドリング時こそ振動を感じる「ツインエア」ですが、走り出すと車内に振動は伝わらず個性的なエンジン音も聞こえにくい静粛性を得ていました。

同じ「ツインエア」エンジンを搭載した「500」にも試乗しましたが、こちらはあえて個性的なエンジン音を聞かせるようなセッティングとなっているようでしたので、実用性を重視したパンダならではの設計なのでしょう。

「ツインエア」は燃費やCO2削減、軽量化を考え難しい設計の2気筒にあえてチャレンジしたそうですが、ターボつきとはいえ動力性能は十分です。

最高出力85ps、最大トルク14.8kgmというスペックではありますが、試乗時は箱根の山道をぐんぐん登ったほど数値以上のパワーを感じます。初めて乗った方は、このパワフルさに驚くのではないでしょうか。

また気になる燃費は「ECOスイッチ」を搭載しリッター18.4km(JC08モード)と文句ないレベルです。

 

●「スクワークル・デザイン」でモダンと実用性を両立

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現行パンダはスクエア(四角)の機能性とサークル(円)の楽しさをミックスした『スクワークル』、いわゆる丸みを帯びた四角型をデザインモチーフに内外装がデザインされています。

とくにインテリアはメーターや温度調節レバー、シートのバックレストの表皮など随所にそのモチーフが用いられているのが目立ちます。

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この辺りのインテリアデザインや個性的なサイドブレーキ、またカラーリングはとてもモダンで「さすがイタリア車」と感心すること間違いなしのポイントですね。

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ただしパンダはオシャレなだけでなく実用にこだわっていることを忘れてはいけません。

助手席前のダッシュボードはエアアウトレットをできるだけコンパクトにしたことで大きな収納ポケットとして使えるほか、ドアポケット、カップフォルダー、グローブボックスなど収納スペースは多彩です。コンパクトでありながら高い実用性を誇る──という歴代パンダの伝統を受け継いでいることはおさえておくべきポイントです。

 

●シート&サスで上級車並み乗り心地が味わえる

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_PANDA_MIL1104前段で書いたように「コンパクトカーなら国産車」と思っている方は多いと思いますが、そういう人ほど体験して欲しいのがパンダのシート。

クッションは厚くサイズもゆったり、そしてなにより作りがしっかりしているシートは疲れにくいだけでなく、なによりコンパクトカーとは思えないほどの乗り心地が味わえるのです。

乗り心地については、ストロークをしっかりとってあるサスペンションの影響が大きいのかもしれません。

先ほど書いたように試乗コースは箱根の山道でしたが、乗り心地を重視したセッティングではあるものの下りのコーナーではしっかり踏ん張るサスペンションの味付けは好みだという人が多いのではと感じました。

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また今回の試乗で感心したのがオートマニュアルミッションの“デュアロジック”が進化していたことです。

現行「500」がデビュー時に搭載されていた「デュアロジック」は、けして評価が高くなかったトランスミッションでしたが、年々改良されてきたのか昨年、パンダのデビュー時に試乗した時と比べても制御プログラムが賢くなったことがすぐにわかりました。

好みはあるとは思いますが、個人的にはCVTよりもダイレクト感がある“デュアロジック”のフィールは好ましく感じます。

 

と、パンダを改めて試乗して感じたことを書いてきましたが、声を大にして言いたいことがあります。

「一度でいいからパンダをディーラーなどで試乗するべし!」

パンダが気になっている方、また国産コンパクトしか乗ったことがない方、乗ると世界が変わることは間違いないクルマです。

 

●フィアット・パンダ(イージー)主要スペック

全長:3655mm
全幅:1645mm
全高:1550mm
ホイールベース:2300 mm
重量:1070 kg
エンジン形式:直列2気筒ターボ
総排気量:875cc
最高出力:85ps/5500 rpm
最大トルク:14.8kgm/1900 rpm
トランスミッション:5段オートマチック(デュアロジック)
駆動方式:FF
タイヤ:185/55R15
燃費(JC08モード):18.4km/L

 ■フィアット クライスラー ジャパン(http://www.fiat-auto.co.jp/

 

(テヅカ・ツヨシ)