米国市場における日本製の「御三家セダン」といえば、トヨタカムリとホンダアコード、そして日産アルティマでしょう。今回の新型ティアナは、アルティマと統合したため、日本市場でも「御三家」が揃うことになりました。カムリとアコードがハイブリッド専用車にシフトする中、新型ティアナはリーズナブルなガソリンエンジンで参戦。持ち前のおもてなしに、米国お墨付きのセダン性能を融合してデビューしたのです。
■特徴:FF直4・2.5Lガソリンエンジン+CVTのパワーユニットに一本化
先代ティアナではFFはV6、4WDは直4のガソリンエンジンを搭載していましたが、新型では、FFの直4・2.5Lに一本化しました。またCVTの変速比を拡大し、燃費も14.4km/lと高水準をマーク。アイドリングストップがあれば更に伸びると思うとちょっと残念ですが、乗り心地とハンドリングを両立すべく、新開発リアマルチリンクサスやコーナーリング時のブレーキ制御等を積極採用。更に新型ティアナでは、日本市場向けのきめ細かいチューニングがしっかり施されています。
■使い勝手:世界に向けたくつろぎとおもてなしの空間
インパネデザインは、水平基調から立体的なT字型レイアウトに変更。前席の間を縦に走る2本のシルバーラインが上質さを演出しています。どこに座っても、くつろぎ空間に磨きがかかっていますが、やはりオススメなのはティアナ伝統の助手席オットマンでしょう。またトランクは500Lを超える大容量で、ゴルフバック4つも余裕綽々。世界に向けたくつろぎとおもてなし空間が、結実していると言えそうです。
■バイヤーズカイド:グレードは3つのシンプル構成
新型ティアナの価格帯は、約243万〜約305万円の3グレード構成。オススメは、ティアナらしい助手席電動オットマンが付く中間グレードの「XL」。革巻ステアリングやキセノンヘッドライトも備わる充実グレードです。一方廉価版の「XE」でも必要充分な機能を備えており、グローバル・ラージセダンをリーズナブルな価格で手に入れるチャンスと読み替えれば、なかなかのお買得車と言えるでしょう。
新型ティアナは、世界120ヶ国で販売されるグローバルセダンで、特に中国では年15万台、米国ではアルティマとして年30万台、世界で合計60万台の販売を計画しています。まさしく、日産の新たな顔といえるクルマに成長しました。ちなみに国内計画は年間数千台と控え目ですが、日本でも5ナンバーの呪縛が薄らぎボディサイズの許容範囲が拡大していますから、是非とも実力派として国内セダン市場を切り開いて欲しいと思います。
(拓波幸としひろ)