軽自動車にとって2014年は激動の一年になりそうです。
もちろん軽自動車税の増税という大きなネガティブ要素もありますが、それだけではありません。2013年の後半から軽自動車のマーケット・トレンドが大きく動いているのです。
そうしたトレンドの変化は、たとえば2013年6月と11月のランキングを比較すれば一目瞭然でしょう。
●2013年6月軽四輪車通称名販売ランキング
1位 ダイハツ ムーヴ 18,179台
2位 ホンダ N BOX 17,693台
3位 スズキ ワゴンR 17,272台
4位 日産 デイズ 12,232台
5位 ダイハツ ミラ 11,954台
6位 ホンダ N-ONE 10,908台
7位 ダイハツ タント 10,569台
8位 スズキ スペーシア 10,218台
9位 三菱 eK 8,693台
10位 スズキ アルト 8,557台
●2013年11月軽四輪車通称名販売ランキング
1位 ホンダ N BOX 19,513台
2位 ダイハツ タント 19,246台
3位 ダイハツ ムーヴ 12,677台
4位 ダイハツ ミラ 12,415台
5位 スズキ スペーシア 12,192台
6位 スズキ ワゴンR 11,586台
7位 日産 デイズ 9,055台
8位 スズキ アルト 7,970台
9位 ホンダ N-ONE 6,174台
10位 日産 モコ 3,822台
ホンダのスーパーハイトワゴン「N BOX」が2位からトップに返り咲いている点が目立ちますが、ここで注目したいのはトップ5の顔ぶれです。 6月にはムーヴやワゴンRといったハイトワゴンが中心といえますが、11月になるとN BOXやタント、スペーシアというスーパーハイトワゴンがトレンドの中心にシフトしていることがわかります。
2014年には、日産と三菱から、それぞれ「デイズ・ルークス」、「eKスペース」というスーパーハイトワゴンが登場しますから、こうした傾向はより強まるといえそう。すでにワゴンRがトップ5から陥落するなどハイトワゴン時代の終焉を感じさせるランキングになっていますが、はたしてスーパーハイトワゴンは次代のメインストリームになるのでしょうか?
長年ワゴンRという大ヒットモデルがリードしてきたスズキの軽自動車も動きあり。「スペーシア」と名前を一新したスーパーハイトワゴンもヒットしていますが、軽自動車にクロスオーバーという新潮流を持ち込んだ「ハスラー」の動向に注目です。この「ハスラー」のセールス次第では、ライバル各社からフォロワーが生まれるかもしれません。
一方、軽自動車のシェアナンバーワンの座まで虎視眈々と狙っているホンダは、ムーヴやワゴンRといったハイトワゴン・カテゴリーのど真ん中を狙った「N-WGN」を登場させています。果たして、市場は全高1800mm級のスーパーハイトワゴンを選ぶのか、1600mm級のハイトワゴンを求めるのか。ホンダのマーケティングも含めて、目が離せない展開となりそうなのが、2014年の軽自動車セールスランキングです。
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(山本晋也)