新しいグローバル・コンパクトの基準となるセンタータンクレイアウト・プラットフォームを使うことからフィット・ベースのSUVという見方もされていた「VEZEL(ヴェゼル)」ですが、堂々たる3ナンバーサイズのグローバルスタンダードなボディ、1.5リッター直噴ガソリンエンジン+i-DCDという最強のワンモーターハイブリッドを搭載するなどフィットの面影は感じさせないプレミアムなクロスオーバーSUVです。
それは現代のスペシャリティカーを目指すという基本コンセプトからすると自然な仕上がりなのでしょうが、プレミアムを感じさせるのはスタイリングやカラーリングだけではありません。
ドアを開ければ、室内灯がLEDになっているのが確認できますし、パーキングブレーキは電動タイプとなっています。また、ハイブリッドのアクセルペダルには「RFP」とプレートがついていますが、これは「リアクティブフォースペダル」を採用していることのアピール。アクチュエータユニットによりアクセルペダルに抵抗を与え、エコドライブやセーフティドライブのサポートを狙ったもので、これはアキュラの最高峰RLXについでホンダ・ブランドとしては初めて採用された機構といいます。
インテリアもソフトパッドはステッチで縫い込まれているものを採用。ステッチが不要な部分にも、ゆらぎ感覚で作られたダミーステッチが入り、インテリア全体のラグジュアリー感を高めています。スマートフォン感覚で操作できるナビゲーション、LEDヘッドライトといった装備も見逃せません。
最上級グレードでも268万円というヴェゼルですが、そのディテールや装備は、もっと高価なモデルに匹敵する内容となっているのです。
(山本晋也)