第43回東京モーターショーのマツダブースは、ソウルレッド一色で埋め尽くされていました。ダウンサイジング全盛の中、マツダは社運を掛けてスカイアクティブ技術と魂動デザインを展開し、新たなアイデンティティを確立! その心意気と成果を「ソウルレッド」で世に問うているかの様でした。中でも展示の多かった新型アクセラは、2種のボディと8種のパワートレーンを設定。その多彩な組合せに、マツダの自信をとても強く感じました。
■特徴:合計8種のパワートレーンを、セダンとハッチバックに振り分け!
新型アクセラのボディ形状は、4ドア・セダンとハッチバック・スポーツの2種類。パワートレーンは、エンジン仕様では1.5Lと2Lのガソリンと2.2Lディーゼルターボの3種が搭載され、それぞれ6ATと6MTが組み合わされます。何より絶滅危惧種のMTを設定した英断は、本当に素晴らしい! HVは、トヨタのHVユニットを仕入れてマツダ製2Lガソリンエンジンを組み合わせ、燃費30.8km/Lを達成した実力派。また4WDでは、1.5Lの6ATを設定。エンジンとミッション、駆動系の組合せで合計8種類にもなるパワートレーンを、性格や用途に応じてセダンとスポーツに搭載しているのです。
■使い勝手:タッチパネルを廃止し、安全運転第一のコマンダーを採用
新型アクセラに乗り込んで最初に目に付くのは、真ん中にピョコンと飛び出したディスプレイです。スマホに習ったタッチパネルかと思いきや、逆に運転に集中できるようにタッチパネル方式を止めて、センターコンソールのコマンダー方式を採用したのです。安全優先なのが、マツダらしいですよね。更に2DIN規格のスペースを取らずに済むため、インパネも低くて見晴らしの良いデザインを実現しました。使い勝手はHVセダンのトランクが若干狭いものの、室内は全幅1795mmのおかげで広くて快適です。
■バイヤーズガイド:ボディとパワートレーンで、選ぶ楽しさを満喫したい!
新型アクセラの価格帯は約171万~298万円。セダンでは、1.5Lガソリンエンジン×6AT&6MTの組合せとHV仕様。またスポーツでは、1.5L&2Lエンジン×6AT&6MTの組合せと、2.2Lディーゼルターボ×6AT&6MTが設定されています(2LのMT仕様は来年春に発売予定)。コスパで選ぶなら、スポーツの20Sツーリングとディーゼルターボで全部入りのXDがお勧め。ただディーゼルでは、是非とも標準仕様も設定して下さい! またHV車を検討しているなら、走りが違うアクセラセダンHVをリストアップして欲しいと思います。
ちなみに東京モーターショーでは、米国のシェールガス・ブームを見込んでか、天然ガス対応車を出展していました。HVでもそうですが、マツダはスカイアクティブ技術を軸にして、国毎に合ったパワーユニットを開発・提供する戦略なのだと思います。マツダの独自戦略は、これからが本領発揮と言えそうです。
(拓波幸としひろ)