ドイツで9月10日のプレスデーを皮切りに開幕した「第65回フランクフルトモーターショー2013」でVWが新型EV「e-Golf」をワールドプレミアしました。
VWによると、「e-Golf」は既に発売済みの「e-up!」に続いて2014年中に欧州で販売を開始する予定で、アジアや北米など他の市場には2014年末から2015年にかけての投入を計画しているようです。
「e-Golf」は新型「Golf」をベースに開発したEVで、24.2kWhのリチウムイオン電池を搭載、1回の充電で最大190kmの走行が可能で、100km走行するのに要するコストは3.28ユーロ(約433円)とか。
車両重量は1510kgで、そのうち電池重量は318kg。電圧は323Vで、後部座席下とセンタートンネル内、荷室下に分割して搭載。264個の電池セルで構成されており、これを束ねて27個のモジュールとしている模様。
モータは車両前方に配置されており、最大出力は85kW(115hp)で発生トルクは270Nm。最高速度140km、0-100km/h加速は10.4秒とアナウンスされています。
ちなみに欧州で販売されている「e-up!」の車両価格は26,900ユーロ(約355万円)と高額ながら、100km走行させるのに必要な電気代で見ると3.02ユーロ(約400円)となり、欧州の燃料コスト事情を考えればEVのメリットが出ると言います。
VWはBMWからライバル車となるコンパクトEV「i3」やスーパースポーツPHV「i8」が登場する事や、「e-up!」の販売価格が市販水準まで下げれた事を踏まえて、「e-Golf」をはじめとする一連の開発車の発表に踏み切ったようです。
今回のショーでVWはグループ傘下のアウディやポルシェを含む3ブランドからEVやPHVを同時出展しており、「eモビリティ」の括りで電動車両をアピール。
12日にはドイツのメルケル首相がVW「e-Golf」の発表ブースに駆け付け、同社のヴィンターコルン会長が車両の説明にあたるなど、国を挙げて電動車をアピール。
ヴィンターコルン会長は「2018年までにEV分野でも世界1位になるのがグループの目標。内燃機関の車を生産してきた従来の工場を全てEV生産が可能な状態に整備した」と説明。
加えて「EV用バッテリーとパワートレイン技術を自主開発する為に約400人のエンジニアを養成しており、既に約7万人がEVの開発・生産の為の教育を完了した」とも。
VWは今回のショーで「2014年までにEVやHVなど14モデルを発売する」と発表。HVで先行するトヨタや、EVをエコカーの主軸とする日産などの日本車を追い上げる構え。
欧州では2020年からEU(欧州委員会)が走行時のCO2排出量をメーカー平均で1kmあたり「95g」とする世界で最も厳しい規制を導入する予定。
今回のショーで欧州の自動車メーカー各社から電動車が数多く出展された背景にはそうした環境問題への対応が控えているという訳です。
■IAA フランクフルトモーターショー2013
http://www.iaa.de/
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