日本の道路は世界各国と比べると整備が行き届いている部類に入ります。都市部の住宅地などでは狭い場所などもありますがガードレールが設置され、歩道もしっかり確保されている場所も多く、舗装の荒れている場所もほとんどありません。
日本の道路になれたドライバーから見たら、見ただけでも背筋が凍る世にも恐ろしい道路が世界各地には存在します。今回はそんな世にも恐ろしい危険な道ベスト5をご紹介します。
第5位:国梁トンネル道(Guoliang Tunnel Road) 中国
河南省の太行山に作られた、国梁トンネル道は太行山脈にあり、山々に囲まれたシェン・ミンシン村の村長率いる地元の村民13人によって堀り進められ、外界との連絡手段として作られました。完成まで約5年の歳月を費やし1977年に開通しました。全長1.2kmの国梁トンネル高さ約5m、幅約4m。ほぼ垂直に切り立った山の斜面をたくさんの窓のようにみえる穴が貫通しており、穴から望む断崖絶壁は美しい風景であると共に、一歩間違えると崖下へ転落する危険が伴います。
第4位:大西洋道(Atlanterhavsveien) ノルウェー
大西洋道はブッドからクリスチャンスン間の海岸を高低差激しいフィヨルドの8つの島を繋ぐ形で作られた全長8.2kmの道路。国定景勝道路に指定されているほか、英紙ガーディガンが世界一のドライブルートと評しています。2005年には世紀の技術賞(Engineering Feat of the Century)を受賞しています。天候が良い時には橋の途中で急激に変わる高低差のため、道路が切れているようにも見えます。風光明美な場所として知られる大西洋道ですが、海が荒れている時は路上にも波が押し寄せます。ジェットコースターのようなうねっている道路にも驚きですが、波に飲み込まれる恐れのある時には近づきたくない道路ナンバーワンといえそうですね。
第3位:アトラス・マウンテンズ・ロード(Atlas Mountains Road)/モロッコ
アトラス山脈で分断されるモロッコの物流を支える道路としても欠かせないアトラスマウンテンズロード。デイズ峡谷を通る山岳道路で峠の部分に穴の開いたクサールと呼ばれるベルベル人の作った要塞が周囲に広がっています。道路上の最高地点は標高2260mもあり、峡谷の景色は壮観です。しかし路面状況は著しくなく、狭いところで道幅は30フィート(約9m)しかありません。切り立った崖は高さが1600フィート(約500m)程あります。未舗装の部分もあり落石や土砂崩れが発生する事もあるそうです。また運転を誤り大型バスががけ下に転落し、多くの死傷者が出たこともあったそうです。運転中に景色に目を奪われていると命の保証はありません。
第2位:フェアリー・メドウへ続く道路(The Way to Fairy Meadows)/パキスタン
ナンガパルパッド近くのフェアリー・メドウは標高約3200mのキャンプ地です。妖精たちのおとぎの牧場という名のフェアリーメドウへは、地元のジープを使いカラコルム・ハイウェイのインダス川にかかるライコット橋から、トレッキングの拠点ともなる「ジェル村」別名「フェアリー・ポイント」(2,666m)まで向かう必要があります。そこからフェアリーメドウまでは徒歩で向かうのですが、フェアリーポイントまでの道路が、断崖絶壁の続く背筋も凍る道路。しかし基本的にこの道路は運転になれた地元ドライバーが使うことがほとんどで、その見た目とは裏腹に事故はほとんど起こらないそうです。
第1位:ノース・ユンガス・ロード(North Yungas Road)/ボリビア
首都ラパスとユンガス地方を結ぶ山岳道路で切り立った断崖に作られた道は全長60km程。高低差は3300m。道幅はクルマ1台がやっと通れるほどしかなく、狭い場所では約3mほどしかありません。またガードレールもなく、さらに雨や霧が多いため、視界が悪くなると、より一層危険度が増します。未舗装のうねった道をちょっと踏み外したら崖から転落してしまいます。あまりにも頻繁に転落事故が起きるため、「死の道路」とも呼ばれています。
いかがでしたでしょうか?税金や通行料の高い日本の道路ですが、ご紹介した道路に比べれば安全で整備の行きとどいた道路には感謝しないといけないのかも知れませんね。
(井元貴幸)