中国の大手自動車メーカー「吉利汽車(GEELY)」がロンドンの名物タクシー「ブラックキャブ(TX4)」の製造メーカー「マンガニーズ・ブロンズ・ホールディングス」を買収することで同社と合意したそうです。買収額は1100万ポンド(約16億円)とのこと。
「マンガニーズ」は1899年に設立され、1948年から「ブラックキャブ」の製造を開始。主要メーカーとして年間2700台、累計10万台以上を生産して来たといいます。
吉利汽車は2006年に経営不振に陥っていた「マンガニーズ」に出資、株式の23%を取得して経営に参画。中国での合弁会社設立や部品提供を行うなど提携関係にあったようですが、同社はその後も赤字経営が続きます。
2008年にメルセデス・ベンツが小回りが効く4輪操舵式「Vito」をブラックキャブとして導入すると、競争が激化してさらに経営が悪化。
日産も2012年にブラックキャブ「NV200」を投入。
「マンガニーズ」は中国で製造した部品に問題があったことから2012年に大規模なリコールに発展。資金繰りに行き詰まって同年秋に遂に経営破綻。
吉利汽車は新たに英子会社を設立した上で、マンガニーズを買収。同社の英中部工場での車両製造は継続し、販売拠点や営業権なども維持するようです。
吉利汽車が経営破綻した「マンガニーズ」を買収する目的は不明ですが、「TX4」は既に中国国内でも販売されているようで、有名な英国ブランドを買収することで企業イメージの向上に繋げる狙いが有るものとみられます。
今回の買収は、ロンドンで好意的に受け止められているようで、ロンドン市長は「ロンドンタクシーが救われて嬉しい。近い将来、超低排出ガス車が開発されることを期待している」とコメントしている模様。
それにしても日産の「NV200」がニューヨークの「イエローキャブ」だけでなく、ロンドンの「ブラックキャブ」として活躍していることにも時代の移り変わりを感じます。
■Manganese Bronze Holdings(MBH)Webサイト
http://www.manganese.com/
■吉利汽車(GEELY)Webサイト
http://global.geely.com/
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