【動画】トヨタ86のタイヤが「プリウスと同銘柄」な本当の理由とは?【Fuji 86 Style 2012】

スポーツカーの走りの楽しさの原点に立ち返って開発されたトヨタ86ですが、何故スポーツカーではないプリウスと同じタイヤを履いているのかについて、巷では色々と囁かれていました。 

「車体側にコストをかけ過ぎた結果、タイヤをケチった?」とか「86オーナーはどうせノーマルタイヤでは乗らないから?」などの疑念を持っている人も多いのではないでしょうか。 

更に今回、大手タイヤブランド3社からトヨタ86専用スポーティ・タイヤが発売されるとあって、やっぱりそうだったんだ・・・と、何やら勝手に妄想してしまいがち。

そんな巷の空気を察知したのか、トヨタ86開発責任者の多田チーフエンジニアがその「真相」をトヨタ86のカスタマイズカー「FACTORY TUNE 001」のお披露目トークショーで熱く語りました。司会はお馴染みのピストン西沢氏、ゲストは土屋圭市氏です。

その理由は結論から言えば「プリウスに採用したタイヤがスポーツカーを開発する上で、あらゆる面でバランスがとれた良いタイヤだったから」。

そのタイヤとはご存知のとおり、ミシュラン社の「Primacy HP (215/45R17 87W)」。実はこのタイヤ、プリウスに採用されたことですっかり「エコタイヤ」としてのイメージが定着してしまった事が様々な誤解を生む原因に。実は欧州のスポーティ車にも多く採用されています。

ミシュラン Primacy HP

多田チーフエンジニアいわく「Primacy HPのコストはPOTENZA RE050より高い」とか。今までのスポーツカーは最初から専用タイヤを履かせる事を前提に開発しており、タイヤを交換すると本来の運動性能を発揮出来ないケースが存在する(車体剛性もタイヤ依存型に)模様。

そこで86ではユーザーがどんなタイヤを履いても一定の運動性能を発揮出来るよう、タイヤに左右されない車両開発を目指し、それにふさわしいニュートラルな特性を持つタイヤを散々物色した結果、「Primacy HP」に行き着いたというのが真相のようです。

従って、今回新たに登場したトヨタ86専用タイヤはそんな素性の良い86の車体性能を存分に引き出せるタイヤとなっている模様。何事もまずベースが肝心ということですね。

こんな奥の深い開発をしているので、話しをよく聞いてみないとつい勘違いしてしまいそうな「コダワリ」がいっぱいのトヨタ86というワケです。

それでは爆笑トークショー後半も是非お楽しみ下さい。

  (Avanti Yasunori)  

この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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