■転がり抵抗係数を従来品よりも21%低減
日本でも電動化(バッテリーEV)化の流れは、商用車にも及んでいます。日本勢でも日野デュトロZ EVやいすゞ・エルフEVなどの小型EVが登場しています。
そんな中、住友ゴム工業は、DUNLOP(ダンロップ)史上最高レベルの低電費性能を謳うEV小型トラック向けリブタイヤ「e. ENASAVE SPLT58」を2024年3月1日から発売します。日本国内BEV向けの市販タイヤの第2弾で、発売サイズは2サイズ、価格はオープンです。
リブタイヤとは、走行安定性や排水性、横滑りのしにくさに寄与する直線またはジグザグの連続した溝(リブパターン)をもつタイヤのことです。
「e. ENASAVE SPLT58」は、BEVの課題である1充電あたりの走行距離を伸ばすことに加え、専用バッテリーの搭載による車重増によるタイヤ摩耗を抑えることを目的に開発されました。
トレッド幅とショルダープロファイルが最適化された「低燃費ショルダープロファイル」によって、余分なゴムを削減し、燃費悪化の要因となる無駄な発熱が抑制されます。低電費に寄与する転がり抵抗係数は、同社の従来品DUNLOP「ENASAVE SPLT50M」よりも21%低減されています。
また、タイヤ幅方向の輪郭であるトレッドラジアスとタイヤ骨格であるケースラインが最適化された「荷重ロバスト性向上プロファイル」により、接地形状の変化も抑制されています。
さらに、周方向の細かい溝であるサイプをなくすことでブロック剛性を向上させ、リブエッジに丸みを持たせることによってリブ内の接地圧を均一化。これによりロングライフ性能に貢献し、相反する低電費性能とライフ性能を高次元で両立したとしています。
電費向上とタイヤのライフ性能を果たしたダンロップの「e. ENASAVE SPLT58」は、運送事業者にとって頼もしい存在になるはずです。
(塚田勝弘)