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■実車7台の製造・販売も予定
アウトドアブームに後押しされるかように、近年、ますます人気が高くなっているキャンピングカー。特に、ハイエースをベースとし、外観をあまり変更していないモデルは、広い居住空間を持ちつつも、運転が楽なことで幅広いユーザーから支持を受けています。
そんなハイエース・ベースのキャンピングカーを、京都精華大学(京都府京都市)の学生がデザインなどを実施。それを元に製造された新型モデル「アコロ」が、2024年2月2日〜5日に千葉県・幕張メッセで開催される「ジャパンキャンピングカーショー2024」でお披露目され、販売を開始することが発表されました。
キャンピングカーの製造・販売を手掛けるキャンピングカーランド(愛知県日進市)、キャンピングカービルダーのレクビィ(愛知県瀬戸市)、そして京都精華大学の連携事業「キャンピングカー制作プロジェクト」で生まれたのがアコロ。
約20名の大学生が様々なアイデアを出し、それを具現化したというこのモデルは、一体どんな仕様に仕上がっているのでしょうか?
●約20名の学生がデザイン案などを制作
今回製造された新型キャンピングカーのアコロは、京都精華大学に在籍する全学部(国際文化学部、メディア表現学部、芸術学部、デザイン学部、マンガ学部)の学生が履修可能な共通教育科目「社会実践育成プログラム」の一環で、「キャンピングカーの新しいデザイン提案」という授業により生まれたものです。
2023年6月〜7月、5回に渡って開講された授業には、デザイン学部プロダクトデザイン学科の2年生を中心に、デジタルクリエイションコース、メディア表現学部など複数の学部から約20名が参加。
キャンピングカーに関する基礎知識を学んだ後、一人ずつ企画案のプレゼンテーションを行い、各グループ毎に選出案を突き詰めて制作。7月末には、連携事業に参画するキャンピングカーランドやレクビィの担当者に向けて、デザイン案などの最終プレゼンも実施。その提案を元に製造されたのが、今回ショーでお披露目するアコロです。
ちなみに、京都精華大学は、2023年12月22日に、同校のキャンパス内でもお披露目会を実施。2024年2月のジャパンキャンピングカーショーでは、さらに広く一般に公開すると共に、実際に7台の車両をキャンピングカーランド各店舗(埼玉、名古屋、岐阜、京都)で販売するといいます。
●女性ユーザーも意識したグラフィック
そんな背景を持つ新型キャンピングカーがアコロ。ベース車両は、トヨタ・ハイエースのロングバン・ワイドボディ・ミドルルーフで、ボディサイズは全長4880mm×全幅1880mm×全高2100mm。外装は、ほぼノーマルと同じサイズとなっています。
学生たちが考案した車両のコンセプトは、「遊び心」をキーワードに、老若男女問わずキャンピングカーを楽しめる車両。特に、従来メインの客層ではない女性ユーザーも意識したという外観には、青やオレンジで構成されたポップなグラフィックを採用し、より広いターゲットの獲得をめざしているといいます。
明るい雰囲気を意識したという内装にも、外装とマッチさせたカラフルなグラフィックを投入。フラットなベッドや対面で座れるソファにもなるシートには、飛行機や鉄道のシート生地で有名な企業の住江織物が制作したワンオフ生地を採用し、快適性も追求しています。
ちなみに、この車両は、8ナンバーのキャンピングカー登録車で、乗車定員5名、就寝定員は2〜4名といいますから、本格的なキャンプも楽しめる仕様のようですね。
価格など、詳細はまだ不明ですが、前述の通り、実車はジャパンキャンピングカーショー2024に展示されますから、興味があり、会場の幕張メッセに行ける人は、ぜひチェックしてみて下さい。
(文:平塚 直樹)