ガソリン価格の高騰で車を買い替える? 「燃費のいいガソリン車」を選ぶ人は51%

■電気自動車は費用面・運用面で不安な人が多い

高騰が続くガソリン価格。資源エネルギー庁の発表によれば、2023年8月14日時点のレギュラーガソリン全国平均価格は181.9円/Lで、2週間連続で180円台を記録。5月15日以来、13週連続で値上がりを続けているばかりでなく、今後もまだまだ価格上昇は続く見込みだといわれています。

ガソリン価格の高騰と車の買い替えの関連性などを調査
ガソリン価格の高騰と車の買い替えの関連性などを調査

そんなご時世ですから、車を持っているユーザーのなかには、もっと燃費がいいモデルに買い替えたいとか、いっそのことガソリンを一切使わない電気自動車(BEV)に乗ろうかと考えている人もいるかもしれませんよね。

では実際、多くの人は青天井ともいえるガソリン価格の高騰により、所有する車についてどんな意識を持っているのでしょうか? 「gogo.gs」が1526名に対し実施したアンケートの結果を紹介します。

●買い替えの「検討をしない」人が77%

今回のアンケートは、2023年6月2日〜6月12日に期間に実施されたものです。

ちなみに、資源エネルギー庁の発表によれば、2023年6月12日時点のギュラーガソリン全国平均価格は169.3円/L。アンケートは、直近より12.6円/L安かった時期に行われていますから、現在とはちょっと傾向が変わっているかもしれませんので、念のため。

アンケートでは、まず、「ガソリンが値上がりしたら、車の買い替えなどを検討しますか?」と質問。結果は、

・「車の買い替えなどを検討する」 23%
・「車の買い替えなどを検討しない」 77%

ガソリンが値上がりしたら、車の買い替えなどを検討するか(出展:gogo.gs)
ガソリンが値上がりしたら、車の買い替えなどを検討するか(出展:gogo.gs)

と、ガソリンが値上がりしても、車の買い替えなどを検討しない人が多くを占めました。

なお、「車の買い替えなどを検討しない」という人の意見で最も多かったのは、「買い替えるコストの方が高いので」。

新しく車を買い替えるコストの方が、値上がりを続けるガソリン代よりも掛かると考えている人が多いようです。

●「20円以上」の値上がりで買い替えを検討する人が65%

次に、アンケートでは、ガソリンが値上がりしたら「車の買い替えなどを検討する」と回答した人(約350名)に、「いくらガソリンが値上がりしたら、車の買い替えなどを検討しますか?」といった質問を実施。結果は以下の通りです。

1位:「20円以上」 65%
2位:「15円以上」 14%
3位:「10年以上」 13%
4位:「5円以上」 8%

いくらガソリンが値上がりしたら、車の買い替えなどを検討するか(出展:gogo.gs)
いくらガソリンが値上がりしたら、車の買い替えなどを検討するか(出展:gogo.gs)

半数以上の人が「20円以上」と答えていますね。アンケート実施時期と比べ、現在のレギュラーガソリン全国平均価格は、前述の通り、12.6円/L上がっていますから、回答した人のなかには、車の買い替えの検討をはじめている人もいるかもしれません。

●電気自動車の購入はハードルが高い?

さらに、アンケートでは、同じく「車の買い替えなどを検討する」と回答した人に、「どのような車への買い替えなどを検討しますか?」といった質問も行っています。結果は次の通りです。

1位:「燃費のいいガソリン車」 51%
2位:「電気自動車(PHEV含む)」 34%
3位:「車を手放すことを検討したい」 15%

どのような車への買い替えなどを検討するか(出展:gogo.gs)
どのような車への買い替えなどを検討するか(出展:gogo.gs)

ガソリン価格が高騰しても、やはりガソリン車を選びたいという人が約半数を占める結果となりましたね。なお、「燃費のいいガソリン車」と回答した人には、以下のような意見があったそうです。

・「ガソリン車からハイブリッド車へ、燃費のいい車にしたい。(noshiro1さん)」
・「電気自動車は高いので、費用対効果ではまだ省燃費車には負ける。(seremarksさん)」
・「マンションなので、電気自動車は維持管理が難しいので、やはりガソリン車かなと思う。(takep07さん)」

電気自動車は、まだまだ車両本体価格が高いことで、買い替えるなら「燃費のいいガソリン車」の方がいいと考えている人もいるようです。

「燃費のいいガソリン車」への買い替えを検討する人は51%
「燃費のいいガソリン車」への買い替えを検討する人は51%

また、電気自動車の場合、マンションなどの集合住宅では、充電設備などの設置について、誰が費用負担をするのかなど、さまざまな問題があり、購入のハードルになっているとよく聞きます。そうした問題から買い替えする車の選択肢には入らないという人もいるようです。

一方、「電気自動車(PHEV含む)」を選んだ人には、以下のような意見があったそうです。

・「ガリン価格が生活を脅かすことになれば、電気自動車に買い替えたいと思っている。(mie さん)」
・「今後はEV化がますます進んでいくと考えているため。(wedngouto さん)」

また、ガソリン価格の高騰で、「車を手放すことを検討したい」と回答した人のなかには、次のような意見があったといいます。

・「高すぎるし乗らなくなるなら、いる時だけレンタカーで良いかなと。(car_ota さん)」
・「首都圏なので、車がなくても電車・バスでどこにでも行けます。多少の不便さは許容しないと、と考えてます。(nishinorifuru さん)」

電気自動車への買い替えはまだハードルが高い?
電気自動車への買い替えはまだハードルが高い?

このように、さまざまな意見を持つ人がいるようですが、ガソリン代が高くなっても「車の買い替えは考えない」人が多くを占めているのが現状のようです。

また、買い替えを検討する人でも、半数以上が「ガソリン車」を選ぶ傾向にあり、普及が進んでいるとはいえ、まだまだ電気自動車への移行にはハードルが高いと考えている人も一定数いるようですね。

(文:平塚 直樹)*写真はすべてイメージです

【関連リンク】

gogo.gs公式サイト
https://gogo.gs/news/contents/1687748057

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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