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■フェラーリが繋いだ縁! 映画のように数奇なミシェル・ヨーの人生
●オスカー女優、ミシェル・ヨーとクルマの意外な関係
2023年、アカデミー主演女優賞を受賞したハリウッド女優ミシェル・ヨー。
1997年公開の映画『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』でボンドガールをつとめ、2000年『グリーン・ディスティニー』といった映画でも知られる世界的女優です。
自身も製作に携わった映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(通称エブエブ)はアカデミー作品賞を含むあらゆる賞を総ナメ。ミシェル・ヨーもアジア人初のアカデミー賞主演女優賞獲得となりました。
ここではそんな、名女優とクルマをめぐる物語を書かせていただきます。
その前に、話題の映画『エブエブ』をおさらい。2023年春にものすごく話題になった映画ですが、DVD化はまだこれから。観ていない方も多いと思うのでネタバレがない程度に。
まずはこの作品の魅力を語らせてください。こちらが、本当にざっくりしたあらすじです。
エヴリン・ワン(ミシェル・ヨー)は赤字のコインランドリーのオーナー。家族や仕事にさまざまな問題を抱えた、しがない中年女性です。彼女はある日、税金の申告のやり直しのため役所に出向きます。そのとき夫に別の宇宙から来たというウェイモンドなる人物が乗り移り、突如、彼女に全宇宙の運命を託します……。
無限に広がるパラレルワールドに、マルチバースとの遭遇という超難解設定ながら、ド派手アクションを散りばめ家族愛というテーマをしっかり描きった怪作。あらすじを読んでハテナマークがともった人も多いでしょう。言葉で説明するのは難しい映画なんですが、これが実に楽しい。テンション高めのはちゃめちゃカオス映画なのです。
●ジャン・トッドは常勝軍団フェラーリの指揮官
長く語ってしまいましたが、ここからが本題です。この映画で世界中を虜にしたミシェル・ヨーですが、実はクルマと深いつながりがありました。じつはミシェル・ヨー、最近クルマ業界の超有名人と結婚し、大きな話題となったばかり。
2023年7月27日に、フェラーリの元CEOでもあるジャン・トッドと結婚をしたのです。
ジャン・ドットといえば、F1世界選手権を主催する国際自動車連盟(FIA)の会長を務めたこともあるモーターレース界の重鎮。彼はプジョーのラリーチームなども含めると、1970年代からレーシング業界で活躍してきました。
なんといっても有名なのがフェラーリでの仕事ですね。1990年代初頭にフェラーリF1チームのチームマネージャーに抜擢されると、その後、ミハエル・シューマッハやエディ・アーバイン、ルーベンス・バリチェロといった名ドライバーを起用。フェラーリを常勝軍団に育てあげ、CEOにまで上り詰めました。
ジャン・トッドがミシェル・ヨーを見初めたのは2004年のこと。ミシェルがフェラーリの広告キャンペーンに起用されたときのことだったようです。
一説によると、2人のキューピッドはミハエル・シューマッハだったという話もあります。それもあってか、2014年にシューマッハがスキー事故で入院した際は、2人がシューマッハを見舞う姿も話題となりました。
●婚約から19年越しの結婚を元人気ドライバーも祝福
また、2人の結婚は我々凡人から見るとかなりイレギュラーなもの。60歳のミシェル、77歳のジャン・トッドという歳の差婚であるうえに、19年の婚約期間を経て、ついに結ばれたというから驚きです。ミシェル・ヨーは公式Instagramでこのように話しています。
「19年を経て私たちは結婚しました! 私たちを愛してくれている “家族” に感謝します。これからもずっと」
さらに、2人の結婚式の招待状にはこのような言葉が綴られていました。
「2004年6月4日に上海で出会いました。2004年7月26日にJ.T(ジャン)がM.Y(ミシェル)にプロポーズし、彼女はYESと答えました。それから6992日後の今日、2023年7月27日、ジュネーブで愛する家族や友人に囲まれ、この特別な瞬間を一緒に祝うことができ、とても幸せです」
ブラジルのF1レーサーで、フェラーリでもその名を馳せたフェリペ・マッサもすぐに反応し、Instagramに投稿。「結婚おめでとう。ジャン・トッド とミシェル・ヨー を愛してるよ」と、この祝福モードを盛り上げました。
それにしても約7000日という途方もない時間を経て結ばれるとは、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』もびっくりの展開。オスカー女優のパートナーがシューマッハの頃のフェラーリ指揮官とは、これもまたとんでもなくドラマチック! F1が結んだ素敵なご縁に心がほんわかさせられました。
(半澤 則吉)