歴代ステップワゴンを振り返ってみると、最初に3代目ステップワゴンを見た時「ホンダがまたしてもやってもうた〜!」と思いました。だってそもそもですよ、2代目がモデル後半に苦戦したのは、他社ライバルの「両側スライドドア」と「3列目シートのらくらく収納」の2つが原因だったと思うのですね。
ところがホンダは、元シビックタイプRの開発担当者を任命。開発コンセプトが「ステップワゴンをこわしたい」「3代目ステップワゴンはミニバンのタイプRを目指す!」というのですから、正直ピントがずれていると思いました。
デザインも、初代と2代目が育んだリアの縦長テールライトをあっさり廃止。つり目大口のフロントマスクも、まるでハロウィンのカボチャ状態?!「ほんとにこれが、あのステップワゴン?!」と我が眼を疑ってしまいました。
更に、室内空間は先代と同等を確保するにとどめ、それ以外の要素は全て「走り優先」という開発方針を貫徹!低床低重心化とオーバーハング短縮化による「走りのミニバン」開発を押し進めたのです。
「やってもうた」が「スッゲー」に一変したのは、もてぎサーキットで開催された「ステップワゴンオーナー・キャンプ」に参加した時でした。プログラムには、発売間もない3代目をサーキットで走らせるメニューも含まれていたのです。
「ノーマルのミニバンでサーキットを走ってもありがたみはないでしょ〜」と思っていたら、とんでもない!!なんとミニバンなのに、サーキットをアクセル全開で走れちゃったんです。とにかく安定した低重心と軽快なエンジンとしっかりしたボディ&足回りで、走りが気持ち良いのですね。タイヤも全く鳴らないし、うちの初代ステップワゴンでは、到底真似できない「ミニバンの新しい走り」を体感!そして「ミニバンは走行性能に優れるほど、同乗者の安全マージンも高い!」ことに気づいたのです。
「さすがはタイプRの開発者!」と、3代目の自己評価は一気にミニバンNo1に大転換した次第です。
残念だったのは、せっかく両側スライドドアを採用したのに、低床化でボディが小振りに見えたことと、リアゲートを開けると荷室が狭く感じることでした。
ユーティリティも備えていたのに、うまくアピールできなかったのですね。
でも使ってみれば十分な広さがあるから、3代目ステップワゴンはオーナーの満足度は極めて高いそうです。販売面では苦戦しましたが、「走りのミニバンとして後世に名を残す!」と確信しています。
さて次の4代目の開発テーマは「原点回帰」。それには3代目のDNAが大きく関わってくるのです。
(3代目を買った義理弟は無限パーツで決めています@拓波幸としひろ)