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■サーキットを走るためのクルマを探していたら、限定500台のレア車が手に入ってしまった話
一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表している新車販売台数。2022年の年間販売台数No.1に輝いたのは、16万8557台でトヨタ・ヤリスでした。
ヤリスと聞くとコンパクトカーを思い浮かべる人が多いでしょうが、この約17万台の中にはSUVのヤリスクロス、そしてハイパフォーマンスモデルのGRヤリスも含まれています。
そのヤリスの中…いや、国産コンパクトカーで究極のハイパフォーマンスモデルといえるが、2022年1月の東京オートサロン2022で発表された「GRMNヤリス」です。
今回はペンネーム・バットマンさんに、当選倍率約20倍以上!と言われる、限定500台の抽選をクリアし、納車されたばかりの「GRMNヤリスサーキットパッケージ」の購入秘話を聞いてみました。
●ベース車から約390万円アップのモンスターコンパクトカー
限定500台で販売されたGRMNヤリスは、プロドライバーと共に鍛え上げたGRヤリスのフルチューンモデルです。このGRMNヤリスの開発は、「モータースポーツの現場で、“スピーディに、かつ人に合わせて進化するクルマ”をユーザーにも届けたい」というモリゾウこと豊田章男さんの思いから始まりました。
GRMNヤリスはベース車のGRヤリスに対して、ボディ剛性の強化をはじめ、約20kgの軽量化、車高10mm低減による低重心化、全幅10mm拡大による空力改善の実現。そして性能向上した機械式LSDやクロスギアレシオトランスミッションと、ローファイナルギヤのセットを採用。
また、プロドライバーによる走り込みによって制動力やグリップ、コーナリング性や追従性も向上させ、より安心して速く走れるクルマに仕上げています。
さらにGRMNヤリスには、「アップデートプログラム」と「パーソナライズプログラム」2つのサービスにより、スピーディにかつ人に合わせて進化するクルマを提供。これまでの市販車とは異なり、レース車両のように、購入後も終わりのない進化を楽しむことができます。
GRMNヤリスの車両本体価格は、標準車の731万7000円から、ラリーパッケージの837万8764円、そしてサーキットパッケージの846万7000円の3モデル。国産コンパクトカーながら800万円オーバーというモンスターマシンです。
バットマンさんが購入したのは、BBS製専用18インチホイールをはじめ、18インチブレーキ、ビルシュタイン製減衰力調整式ショックアブソーバー、カーボン製リアスポイラー、サイドスカート、リップスポイラーを装着したサーキットパッケージ。諸費用込みで930万円です。
●MTで操る楽しさをダイレクトに楽しめるGRMNヤリス
バットマンさんは、どうしてGRMNヤリスを選んだのかと聞いてみると、仲間でよくサーキット走行に行くので、サーキットを楽しく走るクルマを探していたとのこと。候補は、BMW M2やポルシェ・ケイマン、ボクスターだったそうです。
そんなバットマンさんがGRMNヤリスの存在を知ったのは、ネットニュースを見て。まぁ、限定500台だし当たるはずないだろうと冷やかし半分で申し込んだところ、なんと当選! 奥様には事後承諾となったそうで、900万円のヤリスには驚かれたそうです。
バットマンさんにとってMT車のGRMNヤリスは、最初の愛車となった日産R33型スカイライン以来のMT車。しかも、そのスカイラインは事故で廃車になったというエピソードも。
その後、VIP仕様のシーマや、BMW X5といったSUVを乗り継ぎ、現在は家族用にトヨタ・ルーミーとベントレー・ベンテイガを所有。そんな時に、サーキットを楽しむクルマが欲しいと思っていたところに、GRMNヤリス当選の連絡があったそうです。
「まだ納車されたばかりで街乗りしかしていませんけれど、速度域が低くても自分が操っている感覚をダイレクトに感じられるクルマです。自分の中ではMT車を廃車にしたというトラウマも若干ありましたが、GRMNヤリスに乗ってそんな感覚は見事に払拭されました」と話してくれました。
「まだ納車されたばかりなので慣らし中ですけれど、一日も早くサーキットへ行って、GRMNヤリスのポテンシャルを味わってみたいです」とのこと。
そんなバットマンさんのクルマの中には、レーシングシューズが置かれており、臨戦態勢は整っています。
サーキットを走るためのクルマを探していたバットマンさん。限定500台のGRMNヤリスを引き当てるというのは、よほどの強運の持ち主か、モリゾウさんからの贈り物だとしか思えません。安全第一で、ガンガンサーキットを攻めて下さい!
(文・写真:萩原 文博)