三菱・デリカミニ発表会レポート。「デリカミニ」を三菱の年間販売台数10万台復活に向けた起爆剤にしたい

■デリカブランド強し! 軽自動車で4WDモデルの比率60%は驚異の数字

2023年4月6日(木)、三菱は新型軽自動車のデリカミニを発表し、発表・記者会見を東京・田町にある本社ショールームで開催しました。

デリカミニは、軽自動車の販売台数上位を占める軽スーパーハイトワゴンで、eKクロススペースに代わって登場したモデルで、5月25日(木)から販売を開始します。

デリカミニと中村達夫代表執行役副社長、デリカミニの開発責任者の藤井康輔さんのスリーショット
デリカミニと中村達夫代表執行役副社長、デリカミニの開発責任者の藤井康輔さんのスリーショット

車両本体価格は180万4000円〜223万8500円で、上級グレードには高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロットが標準装備されるなど、運転支援システムも軽自動車トップレベルの充実を誇ります。

すでに予約注文が約9,000台となっており、マイパイロットを標準装備したグレードのプレミアムが約80%以上。しかも、専用サスペンションを採用した4WDモデルが60%を占めるなど、従来の軽スーパーハイトワゴンとは異なるグレード構成となっているのが特徴です。

デリカミニと中村達夫代表執行役副社長のツーショット
デリカミニと中村達夫代表執行役副社長のツーショット

今回、記者会見に登壇したのは、2023年4月から三菱自動車 代表執行役副社長の中村達夫氏。

1986年に三菱商事に入社し、世界各地で三菱車を販売してきたとのこと。2022年4月から三菱自動車の執行役に就かれています。

記者会見で中村代表執行役副社長は、以下のように語りました。

「デリカミニは2023年に発表する新商品の第1弾です。軽自動車のシェア約40%を占めるスーパーハイトワゴンに三菱らしいSUVテイストを加え、さらに、根強い人気のデリカブランドのDNAを投入したモデルとなっています。

デリカミニのフロントスタイル
デリカミニのフロントスタイル

軽スーパーハイトワゴンというと、ママのクルマというイメージが強いですが、ママのお子さんの送り迎えなどのちょっとしたお出かけだけでなく、パパがキャンプなどのアウトドアにも使いたくなる逞しさをプラスしたのが特徴です。

すでに予約注文は約9,000台。月販販売台数が2,500台なので、納期が4ヵ月程度となっていますが、5月の販売開始時点までには2倍まで伸ばしていきたい。受注台数を増やすだけでなく、納期をできるだけ短くできるように、原材料の確保など最善を尽くしていきたいと思っています。

アフターパーツを装着したデリカミニ
アフターパーツを装着したデリカミニ

三菱車らしさとは“環境×安心・安全・快適”です。クルマでどこに出掛けても乗員が安全で帰ってこられることを第一に、ワクワク、そして楽しさを提供すること。

クルマを単なる移動手段と考えている人が多くなっている。三菱車は乗ってワクワクしてもらえるし、スターキャンプなどのイベントでは移動するだけでなく、ベースキャンプとして活躍できるなど、自分の生活を豊かにしてくれる仲間、ギアだと思っています。

デリカD:5のフロントスタイル
デリカD:5のフロントスタイル

今回、eKではなくデリカとしたのは、デリカブランドがこれまで築いた“ミニバン+高い走破性”を軽スーパーハイトワゴンに凝縮したモデルだからです。

デリカミニは、これまでの三菱のアイコンとも言えるダイナミックシールドをさらに進化させて、カッコカワイイフロントマスクにしました。これが男性だけでなく、女性にも好評です。

オプションを装着したデリカミニのフロントスタイル
オプションを装着したデリカミニのフロントスタイル

また、高い走破性に関しては、テストコースで悪路での走行を重ねて、4WDモデルは専用サスペンションを採用しています。このデリカミニの特徴を、ユーザーがしっかりと理解していただいていることが、4WDモデルの比率が60%という、従来の軽自動車とは異なるグレード構成に表れています。

売れ筋モデルとなっている、軽スーパーハイトワゴンのデリカミニをきっかけに、三菱ファンになっていただき、エクリプスクロスやアウトランダー、デリカD:5、そしてeKクロスEVといったように、次も三菱車を選んでもらえるようにしたい。

オプションを装着したデリカミニのリアスタイル
オプションを装着したデリカミニのリアスタイル

そして、デリカミニをはじめ今後、発表する新型車で、2022年に9万3000台となった新車販売台数を、10万台まで戻したい。デリカミニには、その起爆剤となってもらいたい」。

と語りました。

『アフターパーツとして、ラリーアートの復活はあるのか?』という記者からの質問には、ラリーアートも選択肢の一つで、デリカブランドとのマッチングを考えて展開していきたいとのこと。

中村さんと藤井さんのツーショット
中村さんと藤井さんのツーショット

また、『三菱ブランドの復活にラリーは欠かせないのでは?』という質問には、すぐにWRCは無理だが、アセアンクロスラリーなど、高い走行性能・耐久性の三菱、というブランドの復活は、地道に行って行きたい、とのことでした。

三菱にはデリカのほかに、パジェロやランサーといった強いブランドがありました。現在、日本市場ではなくなっていますが、復活するユーザーの声も多いです。

デリカミニの登場をきっかけに、販売台数が復活すれば、パジェロやランサーの復活もあり得るのかもしれないと感じる記者会見でした。

(文・写真:萩原 文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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